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青森の農家に聞く「究極に美味しいりんご」の見分け方 ポイントは表面の凹凸にあった

松葉 純一

松葉 純一

2019.12.22 08:00
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りんごが美味しい季節になってきた。

さまざまな品種のりんごが店先に並んでいる。品種だけでも大変な数である。ふじ、つがる、シナノスイート、紅玉、ジョナゴールド、陸奥、北斗、トキ......。

近ごろテレビに登場し、人気のりんご娘「王林」ちゃんも、りんごの品種にちなんだ名前だというではないか。いったいどうやってりんごを選べば良いのだろうか。お悩みの読者も多いはずだ。

そんな中で話題になっているのが、「いぼりりんご」だ。 青森県のリンゴ栽培農家から投稿された、次のようなツイートがきっかけだった。

投稿したのは、津軽地方の南端・大鰐町にある工藤りんご園の担当者。津軽地方では、表面に少しボコボコした様に凹凸があるりんごを、「いぼりりんご」と呼ぶそうだ。「これこそ1番美味しいりんごの証」らしい。

いったいどんなりんごなのだろう?

Jタウンネット編集部は、工藤りんご園に詳しく聞いてみた。

撫でるように触ると、かすかに感じる凹凸

表面にあるボコボコが「いぼり」。Kudo Apple farmさん(@1987813)のツイートより
表面にあるボコボコが「いぼり」。Kudo Apple farmさん(@1987813)のツイートより

「いぼりりんご」の特徴、見分け方について、詳しく教えてくださいとお願いすると、工藤りんご園の工藤耕平さんはこう答えてくれた。

「特徴としては、樹齢が約10年~りんごの木の平均寿命約70年くらいの程よい樹勢のある木に成るりんごに現われる現象です。

りんご自体の表面に凹凸が出てきて、軽く撫でるように触るとかすかに表面の凸凹を感じる事ができます。『いぼり』ができる理由ははっきり分かりませんが、木自体が健康で、雨の量、気候で変わりますが、その全ての条件が良いとできると思われます」

軽く撫でるように触ると、かすかに感じることができる表面の凹凸、これが「いぼり」だという。さあ、あなたもスーパーや果物店の店先でりんごを手に取り、軽く触ってみよう。

「いぼり」と蜜入りの関係について、聞いてみると......、

「『いぼり』と蜜は直接的には関係ないと思いますが、イボリがあるりんごは美味しいりんごの特徴でもありますので、その分、蜜も入りやすいと思います。 蜜はちなみに根から吸い上げた養分が、りんごの実の中で行き場を失って種の付近に溢れだしてくるのだと聞いております」
撫でるように触ると感じる「いぼり」。Kudo Apple farmさん(@1987813)のツイートより
撫でるように触ると感じる「いぼり」。Kudo Apple farmさん(@1987813)のツイートより

「いぼりりんご」を育てるためには、どんな苦労があるのかを、工藤さんに聞いた。

「これから冬に行う剪定・交配・実すぐりなどで大きく変わります。一番影響すると思うのが剪定ですかね。理想としては1年でりんごの木の新しい枝が約30センチ伸びる木が、良いりんごが成ると言われてます。

冬の剪定作業ではその木の枝の伸びを見ながら、日当たり良く、薬剤散布の時まんべんなく薬がかかるようになど考えて剪定してます。あまり枝を切らないと枝の伸びが悪くなったり、切り過ぎると伸び過ぎで美味しいりんごができなかったりします。その絶妙な樹勢バランスを保つのが非常に難しいところです」

冬場の剪定作業が、実はもっとも重要なのだ。

工藤さんの農園では、きおう・早生ふじ・世界一・シナノスイート・ぐんま名月・シナノゴールド・ふじ・金星など、さまざまな品種のりんごを栽培しているという。その約6割弱がふじの栽培だ。

工藤さんの農園がある大鰐町は、温泉やスキー場などで知られている。最近では大鰐温泉の熱を利用した「大鰐温泉もやし」の栽培も注目されているという。

店頭で販売されているりんごを見たら、手にとって軽く撫でてみてはどうだろう。ツルツルの表面をしたりんごの中に、少し凹凸が感じられるりんごが見つかるかもしれない。それが津軽地方で育まれた「ふじ」の究極の「いぼりりんご」なら、これほどラッキーなことはない。究極の美味しさが味わえるに違いない。

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