ドクターペッパー×マックスコーヒーで「チャイの味」になるって本当? 検証してみた
「プリンとしょうゆでウニの味」「キュウリとはちみつでメロンの味」――
2つのものを同時に食べたり飲んだりすると、まったく別の味になる「食べ合わせ」。試したことがある人も多いだろう。
先日、ツイッターで注目を集めたのは、ある衝撃的な「飲み合わせ」。ドクターペッパーとマックスコーヒーを混ぜることで、
「チャイ風ドリンク」
になるというのだ。
紅茶はどこからやってくるのか。Jタウンネット編集部は、実際に試してみることにした。
「お茶成分は...?どこから...?」
話題の発端となったのは、千葉県のあるスーパーに掲示されていたこのポスター。赤地に黄色で、18個の星印と共に力強く「おススメ!!」されているのは、
「Dr.ペッパーとMAXコーヒーでチャイ風ドリンクを作ろう!?」
というレシピだ。
どちらの商品にも馴染みがない、という人もいるかもしれない。筆者が関西に住んでいた時は、スーパーやコンビニでこれらを見かけることはほとんどなかった。
ドクターペッパーは20種類以上のフルーツフレーバーが配合された炭酸飲料で、「シロップ薬」や「杏仁豆腐」の味がすると表現されることもある。
マックスコーヒーは練乳入りの非常に甘いコーヒー飲料。かつては千葉や茨城、栃木など地域限定で売られていた。
ところで、「チャイ」とはポスターにある通り「ミルクティー」。しかし、この2つのドリンクのどこにも紅茶の要素はない。ツイッターにも、
「紅茶成分皆無なのに」
「お茶成分は...?どこから...?」
「紅、、、茶、、、、?」
と、疑念を抱く人は少なくない。
本当にチャイっぽくなるのだろうか。さっそく飲んでみよう。
レシピは、ドクターペッパーとマックスコーヒーを1:1で混ぜるだけ。
それぞれ90ミリリットルほどを量り、ガラスのコップに注ぐ。においは「ドクターペッパーとマックスコーヒーのにおい」だ。それぞれの香りが特に混ざりもせずにただよってくる。マドラーで混ぜると炭酸がシュワシュワはじけ、表面にうっすらと泡の層ができた。よもや「チャイ」とは思えない。
口に含んでみると、舌に感じるのはやはり「ドクターペッパーとマックスコーヒーの味」。ドクターペッパーの香りとかすかな炭酸、そしてマックスコーヒーの濃厚な練乳の甘さ。口の中にもったりとしたミルク感が残り続ける。
筆者の考えでは、これは決して「チャイ風」ではない。少なくとも、これまでインド料理屋やカフェで飲んできたチャイとは似ても似つかぬ味だ。
他の編集部員にも、このドリンクをふるまったところ
「まずドクターペッパーの味がして、コーヒーの香りが鼻に抜ける。のど越しのミルクのクリーミーにチャイっぽさがあるかも」(I記者)
「マックスコーヒーの甘さの後、ドクターペッパーのケミカルな後味。チャイ感はない」(N記者)
「ミルクコーヒー味の飴を溶かして炭酸を入れた感じ。マックスコーヒーが強くてドクターペッパーはあまり感じない」(S編集長)
という感想。ちなみにS編集長は一口飲んだ直後にせき込んで「チャイってこんな味じゃないよな」とつぶやき、I記者は「味はふつうにおいしい」とお気に召したようだった。
味の感じ方はそれぞれだが、「チャイの味はしない」というのが編集部の見解だ。紅茶はどこからもやってこなかったのだ。
ちなみに、炭酸が良くないのかもと思い、気が抜けたドクターペッパーでも試してみたが、「ちょっと薄いマックスコーヒー with フルーツフレーバー」になっただけだった。
いったい誰が、この飲み物にチャイを見出したのか。謎は深まるばかりだ。