石碑だと思ったら...実は自販機! 斬新すぎるコラボの謎、設置の水族館に聞いた
「地元の方がすごく喜んでまして」
若月さんによれば、椎名小学校は2001年に児童がいなくなったといい、06年に廃校した。18年4月にむろと廃校水族館として新たなスタートを切り、活気を取り戻しつつある。
それにしても、なぜ石碑の裏に自販機なのか。若槻さんによれば、普段から「ここは小学校だったんですか?」「なんていう名前の学校だったんですか?」という質問があったとのこと。そこにコカ・コーラから「自販機を置かせてほしい」と依頼が来たという。
その要望に対し、水族館側は「こちらの望むデザインのラッピングをすること」を条件にあげて承諾。それで話がついたため、石碑のデザインを提案したところ、コカ・コーラ側はとても驚いていたという。
「紙かなんかに『ここは旧椎名小学校でした』って貼るのも面白くないなあと思っていたものですから、石碑にしようと。実際に石碑を建てるとすごくお金がかかりますが、ラッピングにしてもらえば、無料でできる。しかも無料どころか、うまいこといくと収益が上がるかもしれないという考えでやりました」(若月さん)
室戸は風がすごく強い街だといい、中途半端な看板は建てられないと思っていたとのこと。「自販機ぐらいどっしりして入いれば安心ですし、石碑としての重厚感もでます」と満足げだ。
除幕式から1週間ほど経ったが、来館者や地元民の反応はどうだろうか。若月さんは、
「我々は面白がってやったんですが、地元の方がすごく喜んでまして。母校が消えたわけですから、母校の名前が復活したわけですね。一部の人は『廃校』と名付けたもので、悲しんでいる人もいらしゃるので...」
と話す。
たしかに、母校の名前が残るのは卒業生にとっては嬉しいことだろう。写真を撮っていく来館者もいるといい、コカ・コーラにとっても宣伝になると若月さんは感じているようだ。
しかしあまりにも石碑すぎて自販機だと気づかない人もいるのでは...。若月さんは「いるでしょうね」としながらも、ちゃんと自販機として使っている人もいるとのことだった。