水中でくつろぐアザラシが「露天風呂のおっさん」にしか見えない
アザラシといえば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。白いフワフワの毛に覆われ、氷の上を這って移動する赤ちゃんアザラシ――見ているだけで優しい気持ちになる。そんな可愛らしい印象を抱く人が多いのではないだろうか。
しかし今、ツイッターで話題になっているのは「おじさん」のようにくつろぐ、おたる水族館(北海道小樽市)のアザラシだ。
水面から顔を出し、どこかボーっとした表情をしているアザラシたち。中には目を閉じて、居眠りしているような子も。2019年10月5日、ツイッターユーザーのしおたん(@uruhira)さんが、
「アザラシ見に行ったはずなのに、露天風呂のオッサンやないか!!」
と投稿したところ、7日時点で3万件超のリツイートを獲得するなど大きな話題に。
「あー極楽、極楽」... そんな声が聞こえてきそうな写真に、他のユーザーからは、
「完全にいい湯に浸かってますねありがとうございます」
「うちの叔父さんにめっちゃ似てるww」
「頭に手拭い乗っけてそう」
「日帰り温泉の男湯状態になっとるわ」
といった声があがっている。皆、思うことは同じのようだ。
しかしこの「おっさん現象」、他の水族館でも確認されているらしく「北海道のアザラシランドにもおっさんいましたよ笑」「海遊館もおっさんいます...」という情報がユーザーから寄せられている。
これは日常的な行動なのだろうか。Jタウンネットは10月7日、おたる水族館営業部の担当者を取材した。
「かなりリラックスした状態」
担当者によれば、これは水中で「立っている」状態で、特に珍しい行動ではないという。話題になったのは「アゴヒゲアザラシ」だが、ほかのゴマフアザラシやゼニガタアザラシにも見られる。この行動の理由については「分からない、楽なのかもしれません」としつつも、
「野生だと、人間でいう肩から上を出している状態っていうのはよく見られます。横だと前しか見えませんが、縦に立って首が回せる状態だと、回りが広く見えるんじゃないかなと思います」
と話す。
ただアザラシたちの顔つきからして、警戒して辺りを見渡しているというわけはなく、「かなりリラックスした状態」ではないかとのこと。警戒しているときは驚いたように目を見開くというが、このアザラシたちの中には目を閉じているような子もいるくらいだ。
体長は3メートル弱ぐらいで、おっさんにしてはかなり大きめ。実際にお客さんから「おっさんのようだ」という声があるのか聞いてみると、
「大体の方は見てそう思うと思います。我々の方でも見てて、温泉つかってるみたいだねとはよく言いますし」
とのこと。話題となったことについては、
「あまり目立つ場所にいないので、話題になって見に来ていただけたら、もっと魅力が伝わるんじゃないかと思います」
と話している。
アザラシたちは本館とは離れた「海獣公園」にある、海を柵でしきっただけのプールでのびのびと暮らしている。その開放的な環境が、露天風呂のおっさんのような雰囲気を醸し出させているのかもしれない。