食後のどんぶりにゴミ捨てるな! 客に激怒するラーメン店主、その切実な理由とは...
ラーメン店に備え付けのティッシュや紙ナプキンを使う人は多いだろう。スープのついた口をふくなど、その用途はさまざまだ。
その使用済みティッシュを、みなさんはどうするだろうか。
設置されているゴミ箱へ捨てる人も多いだろうが、丼と一緒にカウンターに置いて店を後にする人もいるだろう。あるいはそのまま丼の中に入れていくという人も。かくいう筆者も、ティッシュをまとめてカウンターに出すことはよくある。
こちらは、編集部が自宅の丼で再現した、使用済みティッシュを入れた丼である。
スープが少し残っていたため、染み込んだティッシュは重さを持っているようだ。ちょっと汚さも目立つが、食べ残しと合わせてそのまま捨てられるので、店側にとっても効率がよさそうな印象がある。
しかし実は、この何気ない客側の行動が、店に大きな迷惑をかけているという。
いったい、どういうことなのか。Jタウンネット編集部は、こうした客のゴミ放置に強い憤りを抱いているラーメン店主に詳しい話を聞いた。
廃棄量が増える→支出が増える
そもそもの発端は、東京都内に店を構えるラーメン店(本人の希望により店名は伏せる)の店主のツイートだ。
カウンターや丼に使用済のティッシュや楊枝を放置していく客が「とても多い」と切り出し、
「ゴミはゴミ箱に捨てると言うのは 小学校で習いました にも関わらず なぜでしょう」
と苦言を呈したのだ。
いったいなぜ、カウンターや丼に使用済みティッシュを入れてはいけないのか。
Jタウンネットの2019年9月24日の取材に応じた店主によると、
「(スープが残った)丼の中に、ティッシュを入れられると、残ったスープが染み込み、ごみ回収の値段が上がります。そうすると廃棄量が増え、支出が増えるんです」
と怒りの一部を明かす。
ゴミの回収代は重さによって変わるため、スープがティッシュに染み込むことは店の負担につながるというのだ。本来は5万円で済むところが、8万円になったこともあるという。
また、スープが飲み干された丼の場合に関しても、
「私は、手袋をはめると感覚が鈍るため、素手で作業をする。(素手だから)綺麗じゃないものは触りたくない」
というのだ。これは、丼の中だけではない。カウンターやグラス、テーブルも同様だという。
確かに、食材を触るラーメン店主だけに、できるだけ汚れ物を触りたくない気持ちは分かる。
店内にマナーに関する注意書きを貼っても、口頭で「お使いのティッシュは後ろのゴミ箱に捨ててください」と注意しても、「何で?」と逆ギレする客もいるというのだ。そして、こうしたマナーを促せば促すほど、SNSや情報サイトで非難・中傷されることもあると話す。
「今の方々はこういったマナーも無ければ、苦言や注意をされることをとても嫌がります。とにかく私が啓発や忠告をしようが、他の店の状況は変わらない。せめて自分の店の中だけでもなんとかしたい。矢面に立とうとは思っていなません」(店主)
一店主の嘆き。筆者もカウンターにティッシュを置いてしまったことがあった。これからは店主の側に立ってラーメン屋に足を運んでみようと思う...。