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知る人ぞ知るローカル袋麺「チャンポンめん」 あっさりやさしい独特の魅力に迫る

オサーン

オサーン

2019.09.01 12:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第十二回 イトメン「カップチャンポンめん」 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地」をテーマにカップ麺をレビューする連載の第十二回目。今回紹介するのは、西日本地域で販売されている「カップチャンポンめん」。兵庫県たつの市に本社を置く「イトメン」が製造販売するカップ麺です。

「カップチャンポンめん」
「カップチャンポンめん」

カップ麺らしからぬやさしい味わい

カップチャンポンめんは、イトメンの看板商品である袋麺「チャンポンめん」の味をカップ麺で再現した商品です。

袋麺チャンポンめんは、1963年に発売された歴史の長い商品で、販売地域は主に西日本。本社のある兵庫県以外の近畿地方ではあまり売られていないのに、北陸地方、特に石川県では定番商品となっていたり、九州では鹿児島県のみで販売されていたりと、西日本の中でも局地的に展開されています。

袋麺「チャンポンめん」
袋麺「チャンポンめん」

非常にあっさりした味わいで、雰囲気的には少し「サッポロ一番 塩らーめん」と似ているのですが、それよりあっさりしていて、なかなか他に替えの効かない味です。地元で幼い頃から食べていた味が、上京してから手に入らずに食べられなくなったなんてことも多くあるようです。

私はチャンポンめんとは無縁の地で生まれ育ち、大人になってから初めて食べたのですが、インスタント麺らしからぬやさしい味ですごくおいしかったです。

今回はその袋麺チャンポン麺を、カップ麺で再現した商品を食べていきます。袋麺ほどではないですが、こちらも1990年に登場したロングセラー商品。この商品の特徴や魅力を紹介していくとともに、袋麺との違いについても触れていきたいと思います。

左がカップ麺、右が袋麺
左がカップ麺、右が袋麺

内容物の違いは?

カップ麺と袋麺ともに別添袋は「粉末スープ」と「かやく」の2袋。カップ麺のかやくには、袋麺にも入っている干しエビと椎茸に加え、たまご、キャベツ、かまぼこなどが入っています。同じ味でも粉末スープは別のものが入っています。

調理後の袋麺
調理後の袋麺

袋麺には干しエビと椎茸が入っていますが、ご覧の通りかなり少ないので、他社の袋麺と同様に、具を追加して入れることが前提となっています。

ただ、別添のかやくを一緒に煮込むことで、スープに溶け出すエビや椎茸のほのかな風味がとてもおいしいし、一緒に煮込まずに後で入れてクリア味のスープを楽しむのも良いので、私は何も追加しないで食べることが多いです。

調理後のカップ麺
調理後のカップ麺

ちゃんぽんよりタンメンに近いスープ

スープは、野菜の甘みや旨みを効かせたあっさり塩味です。

ちゃんぽんというには澄んだスープで、長崎ちゃんぽんのような強い魚介やまろやかな豚骨は感じられません。ちゃんぽんというよりは、あっさりな塩ラーメンやタンメンの味に近いという印象です。愛媛県の八幡浜ちゃんぽんに近い味という説もあるようです。

そもそも「チャンポンめん」という商品名は、「色々な具材を入れて食べても合う」ことから、色々具を入れるという意味の「ちゃんぽん」が由来で、長崎ちゃんぽんからきているわけではないようです。

イトメンは本社と製造拠点が関西にあり、イトメンの商品は一貫して関西の方に好まれる「あっさり味」を指向しているとのことです。

少し透んだスープ
少し透んだスープ

今回のスープはカップ麺としてはかなりあっさり味ですが、袋麺のかなり薄い色のスープと比べると色が濃く、塩味も強め。具から溶け出す成分を含め、カップ麺の方が複雑な味だと感じられます。

どちらもタンメンのような塩味スープで同系統の味と言えますが、カップ麺のスープの方が比較的パンチのある味、袋麺はクリアですっきりとした味だと言えるでしょう。

麺はやや油で揚げた匂いが

イトメン製品で使われる麺は、風味を損ねるでんぷんをなるべく少なくしているとのこと。でんぷんを少なくすることで他社の麺に比べて弾力やつるみが弱くなる欠点がありますが、麺本来の小麦の味を活かした麺になっています。また、麺にほとんど味付けが施されていないのも特徴で、ほぼ小麦を油で揚げただけです。

他社製品だと麺に味付けを施すことでスープの味とよく馴染むようにするのに対し、チャンポンめんは麺にほぼ味がつけられていないため、主張の強くないスープの味と相まって、麺の油で揚げた匂いが少し感じられてしまいます。これを昔懐かしい香ばしさと取るか、スープの味の邪魔をしていると取るかは人それぞれでしょうか。

中細で縮れのついた油揚げ麺
中細で縮れのついた油揚げ麺

袋麺の麺は「無塩製麺」という大きな特徴があります。インスタント麺では非常に珍しい塩を使っていない麺が使われています。その分、塩分も低くなっており、麺に塩が使われているカップ麺の方がスープの塩味を強く感じられた大きな原因となっています。

また、袋麺の方が麺がひとまわり細いです。そのため、油揚げ揚げた匂いも弱めに留まっており、カップ麺とは大きな違いがみられました。麺で選ぶなら袋麺の方が良さそうです。

具は種類が豊富でボリュームもある

具として入っているのは、キャベツ、たまご、エビ、細切りのかまぼこ、ねぎ、椎茸。6種類の具が入っているというのはカップ麺としては多い部類で、キャベツやたまごは量が多くボリュームもあります。

キャベツやたまごなどの入った具
キャベツやたまごなどの入った具

干しエビと椎茸しか入っていない袋麺に比べるとボリュームがあり、特に手を加えずに食べられという大きな利点があります。これだけキャベツがたくさん入っていると、タンメンらしさがより際立ちます。

袋麺ではスープの味に大きな影響を及ぼしていた干しエビや椎茸は、カップ麺だとスープの味が多少濃いのに加え、キャベツやたまごの甘みも目立っているため、袋麺ほどの存在感はありませんでした。

袋麺の味を手軽に食べやすく

イトメンの袋麺をカップ麺で再現した、カップチャンポンめんを食べてきました。基本的には袋麺と同系の味を保ちつつ、調理の手間を省いたと言えますが、袋麺の超あっさりスープよりは少し濃いめで、具がたくさん入っていることで、袋麺に比べて人を選ばずに誰でも食べやすくなっているという印象を受けました。

袋麺の魅力である、研ぎ澄まされたようなあっさり味ではない上、じわじわくる干しエビや椎茸の旨みも強くないことから、袋麺のファンから見ると魅力に欠ける部分があるのは否めませんが、キャベツやたまごの甘みでよりタンメンらしさも感じる良品です。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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