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岩手でよく見る「エヴァ風」看板 設置業者がまさかの告白「アニメは見たことない」

笹木 萌

笹木 萌

2019.08.04 20:00
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「警報 せめて、最徐行 出し過ぎちゃだめだ出し過ぎちゃだめだ出し過ぎちゃだめだ...」

どこかで聞いたことがあるようなフレーズ。これは岩手県陸前高田市の工事現場で目撃された看板だ。文面はなぜか新世紀エヴァンゲリオン・碇シンジのセリフ「逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ...」をパロディー化しており、フォントも作中で使われるものに近い。

何事かと思う(画像は定休日@take1_HEROさん提供)
何事かと思う(画像は定休日@take1_HEROさん提供)

ツイッターでは岩手県内での目撃情報が相次いでいて、過去にも何度か話題になっている。

遊び心あふれるこの看板、制作しているのは土木工事などを手掛けるたかしん興業(花巻市)だ。2019年7月30日、Jタウンネットは看板制作を担当している副社長の高橋真也さん(42)に話を聞いた。

「縦とか横に文字を並べればいいだけ」

看板を設置し始めたのは8、9年ほど前。東日本大震災の後は控えていた時期もあったという。

ファンでなくても見てしまう
ファンでなくても見てしまう

きっかけは、大船渡でたまたまエヴァ風の看板を見たことだ。

「最初見た時、自分もえっ?て思って。こういう風な看板もいいんだなって。実はエヴァンゲリオンはあんまり見たことないんですよ(笑)」

これは人目につくと感じた高橋さんは、異なるデザインで看板を制作。見たことないのにエヴァ風の看板が作れるものなのか...と思ったが、高橋さんは「縦とか横に文字を並べればいいだけなので」とあっさりした回答だ。

高橋さんは「エヴァが好きってわけじゃなくて、一般の方に関心を持ってもらいたくて」と話す。

看板の種類はエヴァ風だけで20パターンくらい。「第五話」など回の記載があり、「他の回はどこにあるんですか」という質問が来ることも。当初は作業工程に合わせていこうと思ったが、文字のスペースなどの問題で今では特に意味がないとのこと。「第一話」が3つあったり、「第九十九話」が存在したりしている。

当初は「見づらい」と苦情も

看板を作り始めた当初は「見づらい」「なんで縦に書いたり横に書いたりするんだ」といった苦情が寄せられることもあった。当初は黒い背景に白抜きの文字にすることもあったが、現在は白い背景に文字を並べるなど、見やすさを重視し工夫している。

「7、8割の人はこういう看板もいいねって言ってくれて、良くも悪くも関心を持ってもらえればと思っているので、苦情が来ても目をつぶってやるようにしてます。あんまり今は苦情こないですけど」

設置の際は発注者に許可を取っている。景観を重視する地域など「ふさわしくない」とされる場所では設置していないという。

看板は当時流行ったお笑い芸人のネタを交えたものなど、エヴァ以外のパターンもある。高橋さんはこれからもエヴァに限らず、印象に残る看板を考えていこうと思っているという。今後の新作に期待だ。

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