上毛かるた「英語版」誕生 それ、需要あるの?県にド直球で聞いてみた
群馬県民ならだれでも知っている「上毛かるた」。なんと、その英語版が作られることが決まった。県によると、2019年度中の完成を見込んでいる。
完成後は小学校5年生から中学校1年生に英語教育の一環として配布。外国人観光客もターゲットに、県内書店などで一般向け販売も行われる。
しかし、ある疑問が浮かぶ。群馬県民以外の日本人ですらほとんどわかっていないのに、外国人に差し出すのは無茶ではないか。
外国人も上毛かるたをやる時代に
Jタウンネット編集部は2月21日、群馬県文化振興課の担当者に取材を行った。
県外の日本人ですら内容があやふやな上毛かるたを英語にする意図を聞くと、
「観光の案内に役立ててほしい」
と話した。確かに「草津よいとこ薬の温泉」や「滝は吹き割り片品渓谷」といった読み札は端的にその地域の魅力を表しているため、わかりやすい。
一方で上毛かるたは楽しむだが、実際にプレイすることも念頭にあるのか。
「遊びとしても知っていただければ」
「理想の電化に電源群馬」のように観光と全く関係のない読み札でも遊びとして楽しむようになれば内容に関係なく知ってもらえる。そうなれば外国の方でも群馬への教養度があがる。何とも戦略性が高い。
埼玉県民である筆者はこの取材で初めて上毛かるたの札すべてに目を通したが、伊勢崎市が銘仙を織り出していたことなど、知らないことが多すぎた。
群馬にかなりの頻度で遊びに行っている筆者ですら、この状態である。文化の違う外国の人に内容を理解してもらうのは難しい気もする。
「日本語でガイドマップと副読本がありまして、こちらの英語版も」
札の内容について書かれた本があり、この英語版も作られる。これがあれば訳が分からず札を覚えることもなさそうだ。
編集部内でもこの話題に強い関心を寄せたのが群馬県出身のN記者だ。上毛かるたの腕前にも自信があるという彼は、
「『雷と空っ風義理人情』とか『鶴舞う形の群馬県』みたいに群馬県民の血と肉になって馴染んでいる文言がどう訳されるのかが気になる」
とコメント。県民の「血と肉」とまで言われてしまうと訳すのにも細心の注意が必要だ。
2019年度中に完成するという英語版の上毛かるた。今後、海外からの旅行者の間で大流行するかもしれない(?)