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沖縄の人は、びっくりした時に「あぎじゃびよー」って言う?!

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.06.27 11:00
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独特の文化で知られる沖縄県。なかでも沖縄語(琉球方言)はその筆頭で、標準語との大きな差異に驚かされることもしばしばだ。

その方言の中に「あぎじゃびよー」というものがある。東京出身の筆者からすればキーボードで間違えて打ってしまった文字なのかと思うほどだが、そんなことはない。どうやら、「びっくりしたとき」に用いる言葉だというのだ。

「アギジャビヨー」とカタカナで書くと、どこかの国の地名のようにも見える
「アギジャビヨー」とカタカナで書くと、どこかの国の地名のようにも見える

でも実際、使っているのか

「あぎじゃびよー」とネットで調べてみると、「あぎじゃびよい」「あぎじゃべー」「あぎじぇ」「あぎじゃい」と、いろいろとニュアンスが異なるようで、いくつか種類があることがわかった。大方の意味は「なんてこった」「なんじゃこりゃあ」といった意味だそうだ。

しかし実際、この「あぎじゃびよー」、使っているのだろうか......どうにもこうにも信じられない筆者は、沖縄県出身の友人でいずれも20代の、宜野湾市出身の男性Aさん、浦添市出身の男性Bさんと男性Cさん、伊是名島(いぜなじま)出身の男性Dさん、そして浦添市出身の女性Eさんに尋ねてみることに。すると、Aさんは、

「63歳の父親は使っています。他にも、年配の方は使っているイメージがあります。29歳と32歳の自分のいとこも使っていますが、若者はあまり使わないイメージです」

と語る。また、Eさんは

「東京では使わないですけど、地元では使いますね。結構メジャーに使う印象があります。沖縄出身である両親と祖父母は使いますが、18歳の妹は一切使いません」

と述べる。

一方、Bさんは、

「使わないですね。地域によるのかもしれません」

とバッサリ。Cさんも、

「母親だけ使っています。あとは使っていないです」

という。なお、Cさん一家では、彼を除いて家族はみな宮古島出身だとか。また、

「宮古島の方言はフランス語に似ていると言われているそうですよ」

というプチ情報まで提供してくれた。

実際に聞いてみると、まず単語がどこで分かれているのかもいまいちよくわからない、というありさまではあるのだが、「ウ」「フ」系の音が確かに似ているような気もする。フランス語のみならず、「~にゃ」という響きはアフリカ系の言語のようにも感じられるところ、エキゾチックなものであることには変わりはないようだ。

唯一、島の出身であるDさんは、「地域によると思います」と切り出したうえで、

「田舎ほど使う傾向にあるのではと思います。自分の島では年齢に関係なく使っていますが、那覇市に住んでいるときにはあまり使っていませんでした」

と説明。田舎ほど使う傾向にあると述べている。

年配の人が使う傾向にある?

私の想像ではほとんど使われていないのではないかとも思っていたところ、回答してくれた5人中4人は使用実態について言及しており、使用頻度は決して低くないようだ。

ただ、生まれた地域によっても違いはあり、田舎ほど使用頻度は高いという。また、比較的年配の人がこうした方言を用いる傾向にあることもわかった。

なお、文化庁では「消滅の危機にある言語・方言」についてまとめている。消滅の危機が「極めて深刻」とされるアイヌ語を筆頭に、「危険」というランクには沖縄方言や宮古方言がリストアップされている。

上の簡単な調査でも、「あぎじゃびよー」という言葉を使うのが年配のひとが中心であることから、若者が沖縄方言を用いることも珍しくなっているのかもしれない。もし今後、少しずつであれ沖縄方言などが廃れていったのならば、そんな言語消滅の実態に「あぎじゃびよー」と驚く人も、いつの日かいなくなってしまうのかもしれない。

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