深谷駅ホームに「ジャカルタ行き」の電車が! 武蔵野線205系、惜別で粋な計らい
「喜んでもらえるよう走らせてみたら」と現場が発案
「武蔵野線などの車両メンテナンスをしている京葉車両センターで、現場から譲渡の行き先を示して走らせてみたらどうかと発案がありました。見送ってくださる方もおられるので、喜んでもらえるようにやることにしたと聞いています」
事前にお知らせなどはしておらず、見る人をハッとさせるような粋な計らいだった。
譲渡される205 系の電車は、回送電車として先頭車両にけん引されて千葉県内の京葉車両センターを3月2日に出発し、船に積まれる予定の新潟に向かった。ツイッターでは、4日に新潟の港に搬入されるまで、鉄道ファンらが次々にその雄姿の写真をアップしていた。
通常運行の電車を待つときに駅のホームで止まることがあるといい、電車が深谷駅で止まったときに前出の写真が撮られた可能性があるようだ。「ジャカルタ」の表示は、最後部だけだそうだ。
このような試みは、過去に聞いたことがないといい、今回が恐らく初めてではないかとしている。「ジャカルタ行き」は、この電車1本だけで、ほかに走らせる予定はないという。
なお、JR東日本によると、ジャカルタの首都圏では、鉄道利用者が急激に増加しており、今回、インドネシア側から輸送力増強のため譲渡してほしいと依頼があった。譲渡する205 系の電車は、1985~91年に製造されたもので、山手線、埼京線、南武線に使われた後、91年から順次、武蔵野線に転用されていた。