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どこのイノシシ肉がいちばん美味い? 岐阜で利き猪GP「日本猪祭り」開催

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.03.05 20:00
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ジビエといえばすぐに思いつくのはカモ、シカ、そしてイノシシだろう。イノシシは北海道を除いて広く全国に生息しているとされており、本州~九州には「ニホンイノシシ」1種類しかいない。つまり、考えようによっては各地に「ご当地(で捕まえた)イノシシ肉」があると言える。

一体どこで獲れたイノシシ肉がおいしいのか――。そんな肉好きの疑問に答えてくれるイベントが、2018年3月3日に岐阜県郡上市(ぐじょうし)で開催されていた。14県26地域のイノシシの頂点を決める、「日本猪祭り」だ。

記者の地元ではよくごみ集積所に出現する(KENPEIさん撮影, Wikimedia Commonsより)
記者の地元ではよくごみ集積所に出現する(KENPEIさん撮影, Wikimedia Commonsより)

旬のイノシシ肉はどの肉よりもうまい

「日本猪祭り」を主催するのは、郡上市で活動する里山保全組織「猪鹿庁(いのしかちょう)」。何やら謎めいた名前だが、Jタウンネットの取材に答えてくれた同団体の興膳健太さんによると、郡上市に住む若手の猟師たちが設立した団体とのこと。

「里山の生態系を保全し、里山を最大限に資源化して猟師の六次産業化(農業や水産業などの一次産業が食品の加工や流通・販売も手掛けること)を目指して設立された団体で、郡上市で新たな猟師のあり方を模索しています」
公式サイトはどこかかっこいい雰囲気(画像は猪鹿庁ウェブサイトより)
公式サイトはどこかかっこいい雰囲気(画像は猪鹿庁ウェブサイトより)

そんな若手猟師たちの団体が、なぜイノシシ肉のグランプリを開催するのだろうか。

「本当にいいイノシシ肉は、焼いて塩をふるだけでもおいしい肉です。一般的なジビエイベントなどでは調理法などが注目されがちですが、猟師という生産者の立場から、素材のおいしさをもっと伝えたいと考え、去年から開催しています」

第2回となる今回の利き猪グランプリには、静岡、石川、富山、岐阜、愛知、三重、奈良、和歌山、岡山、島根、愛媛、福岡、大分、宮崎の14県から26団体(各地の食肉処理施設や猟師の団体など)が参加。自慢の旬のイノシシ肉を持ち寄ったという。

評価方法はシンプルで、地名を隠した状態のイノシシ肉を焼き、選ばれた150人ほどの審査員が塩をふって食べるというもの。予選である程度産地を絞り込み、さらに決勝戦という形でイノシシ肉の頂点が決まる。

興膳さんは「本当にすべての肉がおいしくて、どれに投票するか迷った」と話してくれたが、審査の結果グランプリに輝いたのは岡山県加賀郡吉備中央町の加茂川有害獣利用促進協議会だったという。

「どの肉もおいしかったのですが、こちらの肉は特に票が集まり、おいしい肉の中でも頭一つ抜けた評価となりました」

野生動物の肉の食味でそれほど大きな変化があるのか、と思われるかもしれないが、興膳さんによると、山の中で何を食べているかによってかなり大きく味が変わるという。血抜きの方法など処理の仕方によっても影響を受けるため、地域ごとで異なる味が楽しめるようだ。

クラウドファンディングを通じて「利き猪肉セット」も提供したという(画像はMAKUAKEの「日本猪祭り」ページより)
クラウドファンディングを通じて「利き猪肉セット」も提供したという(画像はMAKUAKEの「日本猪祭り」ページより)

是非とも実際に食べてみたい、ところなのだが、イノシシ肉が町の肉屋やスーパーで売っているということはまずない。確実なのは、各地にあるイノシシ肉を扱う獣肉処理施設に直接問い合わせることだという。

「イノシシ肉は食べている餌から天然のもので、私は山の恵みをそのままいただく肉だと考えています。猟師であれば、自分の手で獲った肉であり、その思いは格別。旬の時期に獲ったものは最高で、他のどの肉よりもおいしいと思います。来年はイノシシ年ですし、是非とも第3回も開催できればと考えています」
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