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果物は「切る」ではなく「生やす」 超神ネイガーの「秋田弁」紹介が話題沸騰

野口 博之

野口 博之

2018.03.01 11:00
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秋田弁では、果物などを「切る」とは言わず、「生(は)やす」と言う――。秋田県のご当地ヒーロー「超神ネイガー」が、公式ツイッター上でこんな紹介をしたところ、様々な意見が出て盛り上がっている。

超神ネイガーは、秋田弁の話題について時々つぶやいており、今回は、「秋田では『切る』ことを『はやす』って言う」との書き出しで、2018年2月27日に一連のツイートを始めた。

切るは、はばかって使用を避ける「忌み言葉」

「切る」は、はばかって使用を避ける「忌み言葉」であり、その代わりに、県内では、「生やす」が使われてきた。超神ネイガーは、そのことを初めて聞いて驚いているとツイートで打ち明けた。

秋田弁では、「生やす」と言う(写真はイメージ)
秋田弁では、「生やす」と言う(写真はイメージ)

しかし、まだしっくりこないらしく、「なんで『繋ぐ・結ぶ』ではなく『生やす』だったんだべ。...増量感が良いんだべかな」と疑問をぶつけた。さらに、こうもつぶやいている。

県民と見られる人からは、「生やす」は肉や魚には使わず主に植物に使う、と指摘され、超神ネイガーは、これに同意したうえで、こうも述べた。

全国各地で使われ、万葉集以来の古代語が残った?

ツイッター上では、「これは興味深い」「りんごはやしてって言ってたわ」「へぇ~。山形でもはやすって言う」などと次々に超神ネイガーの紹介が引き合いに出された。

一方で、「オラ知らねど?」「県南出身者ですが始めて聞いた単語です」「小口切りのネギとかを汁物にいれて見た目を賑やかすことが『ハヤス』だと思っていたんだけど...?」といった疑問点も挙げられている。

秋田弁の収録・記録事業もしている秋田県の文化財保護室は2月28日、Jタウンネットの取材に対し、「生やす」についてこう説明した。

「『切る』は、殺すことにつながり、縁起が悪い忌み言葉だとされ、わざと正反対に言ったことから生まれた、と推測するのが自然でしょう。殺すの反対で『生やす』と言っているわけで、量が増えることではないと思います。標準語で、ケーキを切るではなく入刀する、ネタを切るではなく包丁を入れる、というのと同じ使い方になるのでは」

料理で包丁を使うときに「生やす」を使い、大根をトントン切るように、主に野菜や果物に使うそうだ。カステラなどのお菓子やちくわなどの加工食品でも使うかもしれないという。ただ、肉や魚にはあまり使わず、紙や材木をハサミやノコギリで切るときも使わないとしている。

2000年に秋田弁の辞典「秋田のことば」を出したときに、県内を9地区に分けて調査したところ、すべての地区で「生やす」を使っていた。ただ、地区の一部だけで使っているケースもあるかもしれないという。

また、「生やす」は、青森から長崎などまで全国的に言葉が残っているともした。万葉集にも、切るの代わりに「生やす」を使っているケースが見られ、古代語が残っているとみるべきかもしれないと言っている。

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