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「夜の宮島」はこんなに素敵だった! 宿泊客が伸び悩む宮島を盛り上げる起爆剤とは

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2018.02.12 06:00
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[Jステーション-広島ホームテレビ]2018年1月30日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、宮島の新しい試みが紹介されました。

宮島(權鋒 葉さん撮影、Flickrより)
宮島

来島者450万人超なのに...

来島者数が増える一方で、宿泊する人の数は伸び悩む宮島。去年一年間の来島者数は456万人に達し、過去最高を記録しました。

しかし、観光客にこれからの予定を聞いてみると「これから広島市内に行って、あしたはオペラを見ます」「福岡県から来ました。(宿泊は)山口に戻ります」といった声が返ってきました。

昼間はにぎわう宮島ですが、夜になると人の姿はほとんど見られません。宮島を訪れる観光客のうち、宿泊するのは1割ほどだそう。

鳥居屋の佐々木健一さんは、「やっぱりお昼がメインです。夜は商店街は閉めてしまいますし、日帰りというか『宮島ワンタッチ』で温泉のある湯田とか山口に行く人や市内に泊まる人が多くて」といわれていました。

広島修道大学商学部の富川久美子教授は、「夜が楽しめないと宿泊につながらない、宿泊につながらないと経済効果が上がらない、ある調査によると日帰りと宿泊では4倍くらい(消費額が)違う」と分析します。

そんな宮島の夜を盛り上げようと、県内の宿泊業者などが集まり、ある企画を考えました。

実行委員会の西本剛司さんは、「(観光客は)どんどん増えていますが、宿泊されるお客様の数は、ここ10年ほとんど変わってないんですね。夜の楽しみをみんなで集まって作ってみようじゃないかというところから始まりました」といわれていました。

夜のイベントを行なうことで、成功した観光地は少なくありません。

清水寺など、京都の寺や神社には夜間の特別拝観で多くの観光客が訪れるほか、広島の安佐動物園などをはじめ全国の動物園ではナイトサファリが行われ、ライトアクアリウムなども近年人気を集めています。

イベントは好評だったがほとんど日帰り

今回、弥山で星空や夜景を楽しんでもらおうというイベントを企画しました。午後5時過ぎ、普段は営業を終えているはずのロープウエー乗り場に、次々と人が集まってきました。

会場の電気が消えると、目の前には光り輝く夜景が広がりました。

参加者からは「寒いけど楽しかった、すっごいきれい。いろんな光でキラキラしてる」「もう感激です。夜ロープウエーに乗って、すごくきれいでこんなことないもの。絶対また来たいと思います」といった声が聞かれました。

あいにくの曇り空で、星はあまり見えなかったものの、参加者は大満足の様子でした。

実行委員会の西本さんは、「夜景と星空の両方が見られる場所はそんなにない。貴重な資源をこれからも宮島の新しい観光の魅力として、発信していけたらこんなに光栄なことはない」といわれていました。

イベントは3日間開催され、のべ300人が参加。これで夜の宮島もにぎわうかと思われましたが...。参加者の9割が県内在住者だった今回のイベントは、ほとんどの人が日帰り。

周辺のホテルの予約率は、普段とそれほど変わりませんでした。しかし中には、いつもよりにぎわった場所もありました。宮島で唯一、午前1時まで営業している飲食店「バンビーノ」。イベント帰りの人も訪れ、店内は満席に。

バンビーノの山根浩寿さんは、「ここ金曜日はそんなに忙しくないんです。今日はいっぱいですね。もっと宮島の夜をみんなに知ってほしいですね」といわれていました。

外国人観光客は夜のイベントを求めている

イベントの認知度向上や、飲食店などサービス業の充実といった課題は、まだまだありますが。こうした取り組みは、宮島の夜を盛り上げる起爆剤になりそうです。

また外国人観光客は、訪日旅行での不満として、夕方以降の楽しみ方が少ないことを挙げています。

広島修道大学の富川教授は、「(例えばドイツでは)滞在中の夜に何があるか、観光客が分かるようにリストが作ってある。コンサートをやったりとか、映画とか、イベントがあったりする。日本の場合はそういうのがないです」といわれていました。

夜のイベントを行なうことで、さらなる外国人観光客の増加も期待できます。鳥居屋の佐々木雄三社長は、「(夜のイベントが今後開催されれば)もちろん街が全体で協力していこうとなる。去年は(過去)最高のお客さんが来てますから、それをもっと増やすには、あぐらをかいとっちゃだめ」といわれていました。

街が一体となり、夜の宮島を盛り上げれば、宿泊者の数は伸びるはず。さらなる宮島のステップアップに期待したいですね。(ライター・石田こよみ)

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