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「8月6日」が登校日じゃなくなった... 平和学習、どう進める?

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2017.08.21 06:00
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[Jステーション-広島ホームテレビ]2017年8月7日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、学校での平和学習の取り組みが紹介されました。

平和記念公園(Dai Fujiharaさん撮影、Flickrより)
広島平和記念公園

広島市職員の休日に関する条例で、原爆が投下された8月6日を登校日にできなくなり、ほとんどの学校で行われていた平和学習が、今年は行われませんでした。被爆の実相をどう伝えていくのか、各学校で対応が分かれています。

「子ども会」主催の平和学習も

中区の基町小学校では、毎年原爆の日に行っていた平和学習の代わりに、子ども会主催の「平和の集い」を行いました。

卒業生の星元律樹さんは、「8月6日に(平和学習が)あるのが普通だったので驚きがあった。なんで8月6日にないのか」と驚き、同じく卒業生の岡本紀聖さんは、「子ども会でできることがあればと思って」と今回の企画のきっかけを語っていました。

平和の集いでは、基町小学校の卒業生が、学校近くの被爆樹木の歴史を児童たちに説明しました。児童は「エノキは台風で折れて、木もかわいそうだったです」や、「原爆が落ちた街で生まれた以上、この街の歴史を知ることが必要」などと感想を口にしていました。

星元さんは、「歴史だったり今までのことを、後輩の人たちに語り継いでほしいので、そういうことを伝えたかった」といっていました。

分かれる学校側の対応

去年は市内半分以上の小中学校が、登校日を設定していました。しかし教職員の権限が、県から市に委譲され、今年は8月6日を休日にするという市の条例で、教職員は出勤できなくなりました。

そのため、今年はほとんどの学校が、6日の前に登校日を設定し、平和の集いを開いたのです。夏休み前に開いた舟入小学校では、これまで式典中継をみていた時間も平和学習の発表の場にあてました。大久保幸則校長は、「(平和の)思いを表現していくことは、大事だと思っている。そうすることで全校生徒が共有してさらに高めていくことができる。学校で工夫して、子どもたちの意識を高めることは大事」といわれていました。

一方で、毎年8月6日以外が登校日となっている学校があります。爆心地から2km圏内にある神崎小学校は、前身の神崎国民学校の児童140人と教職員8人が原爆の犠牲になりました。慰霊祭は碑の慰霊祭にあわせて、8月6日前の日曜日に行われています。

「原爆の日」の登校日は必要か否か、様々な意見があるなかで、学校長は一律できめるのではなく、地域に合わせた取り組みが必要だとしています。

神崎小学校の高西実校長は、「8月6日が登校日にできてもできなくても、校長として、それぞれの学校の実態、地域、児童の実態を踏まえて、最善の学習の場を子どもたちに提供していくことが第一の責務であると考えております」といわれていました。

子どもたちにも平和学習の大切さは伝わっていると思いますが、8月6日だからこそ感じる、考えることもありますので、これからの対応に注目していきたいですね。(ライター・石田こよみ)

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