「ルーレット式おみくじ器」いまも月150~200台ペースで製造されていた
「ルーレット式は、ウチが最初に作りました」
「ルーレット式おみくじ器」がどこで作られているのか調べてみると、金属加工の北多摩製作所(東京都港区)の公式サイトが表示された。
「日本でおみくじ器を製造・販売しているのは当社だけです」
サイトにはそう書かれており、岩手県滝沢市の工場でおみくじ器を生産しているという。
工場に問い合わせると、進藤卓弥・取締役が詳しい話を聞かせてくれた。
「はい。現在、うちしか作っておりません。特許も取っています」
とはいえ、特許の更新はしていないそうだ。
「お金もかかるし、どこも新しく作り始めないだろうし」
進藤氏によると、おみくじ器の製作に着手したのは1980年代のこと。さまざまな業者がおみくじ器を生産し、上部に灰皿が載ったタイプが流行していた。
「ルーレット式は、ウチが最初に作りました。その前にはドライフラワーを載せたタイプも作っていましたが、売れませんでしたね」
おみくじ器は2015年、滝沢市のふるさと納税の返礼品に採用された。今でもメディアの取材を受ける機会が多いからか、ふるさと納税による注文は続々と寄せられており、「今週だけでも10件」だという。年間販売台数では、約2000件に上る。
一見すると順調そのものだが、ここまで決して、平坦な道のりではなかったという。