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千葉で見つけた、ジャンルを股にかける店名【探訪!スナック珍名さん】

中丸 謙一朗

中丸 謙一朗

2017.05.07 11:00
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コラムニストの中丸謙一朗です。さて、「全国スナック名称研究会」(全ス研)、研究発表の第二弾! 今回は、函館から広島までの味わい深いラインナップ。

看板チェックは煩悩チェック、入店ないので、チャージフリー。コスパ最強、スナック「哀愁」物語。では、今週もじっくりとお楽しみください。

【第1発目】「ここはやわらかいらしい」(採取地・静岡)

「ここはやわらかいらしい」
「ここはやわらかいらしい」

そうか、やわらかいのか。やわらかい。やわらかいのかー。(遠い目) 名前というよりは呪文。行きたくなるね。

【第2発目】「夜のヒール・アンド・トウ」(採取地・函館)

「夜のヒール・アンド・トウ」
「夜のヒール・アンド・トウ」

スナックに誘っておいて、名前がいきなり「ブレーキ」。「イッ」ていいのか「イッ」ちゃいけないのか、オロオロ彷徨うスナッカー。俺はイクゼ、かかとでブレーキかけながら。アクセルとブレーキを同時に踏み込むという、(昭和の正しき)テクニックが試される、魅惑の夜のヒール・アンド・トウ。

【第3発目】「ボディーブローに気をつけろ」(採取地・たぶん和歌山)

「ボディーブローに気をつけろ」
「ボディーブローに気をつけろ」

「ボディー」ってすごいよな。歌謡スナックボディー。何事も体当たりで行け! ってことなのかね。でも、これひとんちじゃないの? 元オリックスの野村さんみたいなのが上で飲んでるよね、絶対。そもそも、ボディーって言っても、筋肉? お色気? 路線がさっぱりわからん。まあ、アル中のマスターにボディーブローかまされなきゃなんでもいいんだけどね。

【第4発目】「モラルを持って飲みましょう」(採取地・広島)

「モラルを持って飲みましょう」
「モラルを持って飲みましょう」

スナック「モラル」。そもそもスナックで道徳推しされてもねえ。本気なのかブラックジョークなのかわからないインモラルぶり。

【第5発目】「ジャンルを股にかける店」(採取地・銚子)

「ジャンルを股にかける店」
「ジャンルを股にかける店」

「スナック◯◯」の後半の部分じゃなくて、「居酒っく」って、前半部にかましてきたパターン。なにもこんな言いにくい名前。。居酒屋風スナックとかじゃいけないのか。しかも、名前は「あい」って、フツー。よく、オヤジギャグを飛ばしてる人で、すべってるだけならまだしも、言われたほうがぽかんとしちゃうようなギャグを連発する人っているけど、そういう人なのかな、この居酒っくの「板前スター」。あ、「ママ女将」かも。

【第6発目】「会社帰りのジューシー」(採取地・福島?)

「会社帰りのジューシー」
「会社帰りのジューシー」

どうも、こういうネーミングには弱いのよ。俺。でも、このムダな書体というかアルファベットはいらない。あくまでも「ジューシー」がいいんだよ、ジューシー。「成熟」とか「熟女」とか「妖艶」とかって、会社帰りには重い時ってあるんだよ。飲んでる時には、ジューシーがいいの、ジューシー。朝はフルーツ、夜もフルーツぐらいにいきたいのよ、気持ちだけは。

*注 この企画はあくまでも公に公開されている風景としてのスナックの看板および名前を味わうための企画です。採取した時期もさまざまですので現在も存在しているかどうかは不明です。なお、実際のお店の状況には責任を負いませんので、個人の責任にてお楽しみください。

全国スナック名称研究会では、読者のみなさんが発見した「珍名スナック」の看板画像を募集しています。寄稿フォームかメール(toko@j-town.net)で、ペンネームと発見場所、あなたの年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。ツイッターのハッシュタグ「#全ス研」でも受け付けます。なお、いただいた投稿の一部を改変・編集する場合があります。あらかじめご了承ください

中丸謙一朗

今回の筆者:中丸謙一朗(なかまる・けんいちろう)

コラムニスト。1963年生。横浜市出身。『POPEYE』『BRUTUS』誌でエディターを務めた後、独立。フリー編集者として、雑誌の創刊や書籍の編集に関わる。現在は、新聞、雑誌等に、昭和の風俗や観光に関するコラムを寄稿している。主な著書に『ロックンロール・ダイエット』(中央公論新社、扶桑社文庫)、『車輪の上』(枻出版)、『大物講座』(講談社)など。好きなアーティストは宮史郎とジム・モリスン。座右の銘は「物見遊山」。全国スナック名称研究会代表。日本民俗学会会員。
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