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最寄バス停から片道30分! 「海の森」はまさに東京の辺境だった

城戸 譲

城戸 譲

2016.12.07 06:00
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海の森水上競技場の予定地
海の森水上競技場の予定地

前回、東京ゲートブリッジのたもとで断念した、2020東京五輪のボート・カヌー会場「海の森水上競技場」への接近。JタウンネットK副編集長は翌日、改めて若洲を訪れた。

「橋」と書いて「ゲートブリッジ」と読ませる強引さ
「橋」と書いて「ゲートブリッジ」と読ませる強引さ

歓迎してくれるかのような快晴の空。きょうこそ、予定地を見てやる! 意気揚々と「若洲昇降施設」のエレベーターを8階までのぼると、目前に道路があらわれた。

見晴らしの良い道路
見晴らしの良い道路

これが「海の森」だ!

こっから片道1.6キロ
こっから片道1.6キロ

海面からの高さは約30メートル。ビルだと8~10階レベルだが、勢いよく走り去る重量級トラックや、それが生む揺れ。そして激しい潮風により、それ以上の高さにいるような感覚になる。ちゃっちゃと、行こう。

ゲートブリッジからの眺望(1)
ゲートブリッジからの眺望(1)

ゲートブリッジからの眺望(2)
ゲートブリッジからの眺望(2)

ゲートブリッジからの眺望(3)
ゲートブリッジからの眺望(3)

東京港が一望できる「絶景ポイント」として知られるゲートブリッジ。しかし、平日の昼すぎには、だーれもいない。中間地点(1.3キロ)の高さは、海面から約61メートル。「風に飛ばされても、だれも気付いてくれないんだろうなぁ」とボヤキながら、西へ20分ほど歩くと、中央防波堤が見えてきた。

右奥が「海の森」こと、中央防波堤内側埋立地
右奥が「海の森」こと、中央防波堤内側埋立地

左の陸地が中央防波堤「外側埋立地」で、右が「内側埋立地」。競技場ができる海の森は、内側埋立地に位置している。クレーンの向こう側には、たしかに「森」っぽい木々があるが、それ以外の施設は見当たらない。

クレーンがそびえたつ
クレーンがそびえたつ

内側埋立地は1973年から87年まで、1230万トンのごみが投じられた最終処分場だった。住所は「江東区青海3丁目地先」だが、一帯は江東区と大田区が、それぞれ領有権を主張している。そのあたりの経緯は、姉妹サイト「J-CASTニュース」の記事が詳しい。

ここを開催地とする!
ここを開催地とする!

この内側埋立地には、五輪の馬術競技が行われる「海の森公園」が整備中。2016年開園予定だったが、五輪に影響が出るおそれがあるからと、開催後に延期されている。そして公園と外側埋立地の間にある水路が「海の森水上競技場」の予定地だ。

土が盛られていた
土が盛られていた

パイプ?もあった
パイプ?もあった

現地を訪れてみて、いちばん実感したのは、交通アクセスの悪さだ。五輪開催が近づけば、中央防波堤の整備も進み、おそらくバス路線もできるだろう。とはいえ、最寄駅の新木場からも東京テレポートからも30分弱はかかる。東京や品川、新宿といった都心からだと、軽く片道1時間を見積もらなくてはならない。

中央防波堤外側埋立地には入れない
中央防波堤外側埋立地には入れない

海ひとつ隔てれば羽田空港(直線距離で約6.6キロ)だが、東京モノレールの流通センター駅経由で、やはり30分近くかかってしまう。自家用車のある観客ならいいが、公共交通機関ユーザーにとっては、ちょっと「おもてなし」に欠ける立地といえるだろう。

中防昇降施設
中防昇降施設

施設には立ち入れない
施設には立ち入れない

4年後には通れる...はず
4年後には通れる...はず

なお、ゲートブリッジの歩道は、ここでおしまい。中央防波堤には立ち入れないため、こちら側の昇降施設は封鎖されている。「来た道を戻らなきゃ」。とぼとぼ歩くKの頭上には、さっきとはうってかわって、薄曇りの空が広がっていた。

若洲に戻ったら、まっしろけっけ
若洲に戻ったら、まっしろけっけ

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