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AI(人工知能)をめぐり82歳が考える(1) 高齢者世代としても興味深いテクノロジーの進歩

ぶらいおん

ぶらいおん

2016.07.05 11:00
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Kismet。1990年代末、マサチューセッツ工科大学で開発された人工知能の試作機(Richard Erikssonさん撮影、Flickrより)
Kismet

かつてはSFの世界でしかお目にかかれなかった存在が今、急速に進歩を遂げながら私たちの前に姿を現し始めた。そう、AI(人工知能)である。

今回から全3回にわたり、ぶらいおんさんにこのテーマを読み解いてもらう。 関連するロボティクス、プログラミング教育などの話題を含め、82歳のぶらいおんさんはこれら最新のテクノロジーをどう見るのか。

歩行器・電子書籍...「人間拡張工学」に寄せる期待

   実は、本稿におけるAI(人工知能)という言葉は、カバーしようとする範囲が非常に広く、密接に関連するロボティクスは無論、周辺のITや関連する現代社会のあらゆるトピックスに関わることまで含め、触れてみよう、という下心の下に使用している。それは、逆に言えば、厳密に境界を区切って専門的、学問的に論ずることなどそもそも素人には出来っこ無いし、だからこそ、なまじの定義なぞに拘る気は、はなから無い。だが、かと言って見当外れの耄碌妄言とはならぬように、極力情報を集め、また(些かどころか、大いに手遅れとも思えるが、それでも)勉強しながら*(注)現代社会の末端を生きる市民の一人として(それも超高齢者と呼ばれそうな82歳の身の回りで起こり得るあらゆる事象、あるいは既にその渦中に放り込まれてしまっているかも知れない事柄に注目しながら、専ら自分の立場でその利便性や、ありそうな危険性、弊害やその他の)関連する問題について発言してみたい。

   *(注)先日、AI(人工知能)とは何か?を検索してみて、先ずその用語自体の定義が定まっていないことを識り、素人が読んでも分かりそうな、成るべく専門書に近い書籍は無いか?Amazon.comで探してみた。何冊か、自分の環境(つまり、コスト、難易度、電子書籍化の有無など)に適した書籍があったが、そう沢山購入しても色んな点で余り意味は無いので、取り敢えず2冊に絞った。1冊は人工知能学会が監修した13名の研究者の執筆による電子書籍で、紙の単行本より安価とはいえ、2千数百円もした。もう1冊は、よりポピュラーに「人間拡張工学」についてSFを交えながら書かれた電子書籍である。後者は目次を見ただけでワクワクする。

   こんなテーマで書き始めようとした、そもそもの動機は(話は飛ぶが)毎日新聞の『小・中・高校を通して学校教育にプログラミングを取り入れる検討を、文部科学省が進めている。(中略)今年度中に教員用の指導手引書を作成し、2016、17年度で年間指導計画のモデル案を示す予定だ。』という過去の報道をめぐり、次に述べるような色々な意見が飛び交った居ることを知って、自分なりの意見を纏めてみようと考えたからだ。

『1.「プログラミングの義務教育は実現可能である」という認識は如何にして可能になっているのか
2. プログラミングが義務教育に! 政府の成長戦略素案に盛り込まれたプログラミング教育の内容とは
3. 将来成功するためにプログラミングを学ぶことがなぜナンセンスなのか
4. 2020年から小学校でプログラミング必修化だけど全員整列教育では何も変わらないよ
5. プログラミング教育を強化した国で何が起きているのか?世界の教育事情
6.【プログラミングは義務教育化すべきなのか?】という問題を考えてみた
7. プログラミングの小学校必修化検討で議論勃発
8. プログラミングは義務教育化すべきなのか? プログラミングは教養の一つと捉えるべき
9. 将来の必須スキル!? 子どものプログラミング教育が今人気なんです!
10. 2020年から小学生にプログラミングじゃなくネットリテラシーを教えるべきじゃない?』

   そんなことが漠然と頭にあったが、更に6月13日(日)朝NHKのテレビ番組サキどり<「もう、すぐそこ!?ロボットと暮らす未来」>という番組を観た(実は途中からで全部観たわけでは無い)。

   その内容はNHKによれば「いま、介護施設や空港、家電量販店など町の中で暮らしに役立つロボットが活躍中。2035年、日本のロボット産業の市場規模は9.7兆円になるとの試算もあり、民生用ロボットの開発は活発化しています。サキどりでは、ロボット活用を世界に先駆けて実践するリゾート施設の動きや、ロボットによって、車いすの生活から、再び自分の足で歩く喜びを取り戻した高齢者とその家族を紹介。ロボットと暮らす未来をサキどります。」

   その中で、一番筆者の目を引いたのは、農作業中に骨盤骨折という大けがをして、医師より車椅子生活を宣告された高齢女性が、介助型のサービスロボットである手押し型歩行器を利用することにより、たとえ坂道の上り下りであろうが、自分の足で楽に歩いて外出が自由となった歓びを活き活きと語る姿であった。

   筆者自身は現在、自分の足で歩行可能ではあるが、それでも長距離は苦痛であり、杖を使用することによってその苦痛を軽減している、というのが実情である。加齢と共に身体能力が低下して行くのは当然の流れなので、筆者は予てより自身が歩行困難となった暁は歩行器の利用を考えて居たし、それも出来るだけ格好のよいデザインで、可能なら電動式(自分の意志だけで行動可能)で、住んでいる町の日常の買い物などの実用目的以外に、たとえば東京や大阪の美術館や博物館で開催される展覧会や、また講演会、フォーラムなどに自由かつ積極的に出掛けたいものだ、と密かに検討し、機器のコストや、介護保険適用の有無などを検討して来た。

   そうとなれば、自分も現代社会も、遠い将来の話では無く、もう今でもロボティクスが大いに関わりを持ち始めているのだろう、と考えて来たし、大いに関心がある。そんな訳で、ロボットを考えると、人工知能を考えないわけには行かなくなる。

   今、ロボットは目覚ましい発展を遂げつつあり、日本はその分野でもトップレベルの技術を持っているらしい。にも拘わらず、実用化段階に入ってくると、このままでは外国に引けを取る(今でも、もう既にそうなりつつある)という。

   それは、日本人が非常に「安全性」に拘ることも関係しているようだ。無論、利用する人間の安全第一を考えること、それはそれで大きなアドバンテージとなるわけだが、その安全基準を満たすための諸手続が余りにも煩雑で、時間やコストが掛かり過ぎたりすれば、その点で合理的な他国に大きな遅れを取る結果となり、トップレベルの技術によって、もたらされる筈のおいしいところが、無残にも他国に吸い取られ、先行されかねないことになり始めているらしい。

   この問題は、今の日本や日本人が最も関心を払うべき、そして望ましい方向に向けて最良の手段を考え、実行せねばならぬ問題である、と確信する。

   ここから全ては始まる。この問題に関心を持ち、素人ながら社会に対し意見を述べて行くためには、先ず「人工知能」とは何か、「そして、それがロボットと、どのような関係があるのか」そして「他にも人工知能に関し、どんな問題があるのか」、更に「こうしたIT分野を発展させるためには、どのような手立てや準備、努力が必要なのか」等々、筆者なりに考えて、意見を述べてみたい。

   ここで、人工知能からは外れるのだが、身近な「人間知能」つまり「人間の知覚」について、触れてみたい。それは上述の、筆者が購入した電子書籍に関する事実である。筆者は、何処か他のところでも書いたのだが、現在では圧倒的に電子書籍派であると言える。それは高齢者にとって、一般的に紙の本より利点の方が多いからだ。
   その中の、筆者にとっての第一の利点は、読書のために利用する器具によって、ページのレイアウトを変更し得ることだ。つまり、電子書籍をスマホで読むか、タブレット、それもディスプレイが7インチか、9インチか、また10インチかによって(実は筆者はその全てを所有している)活字のサイズを変更し、余白や行間を調整し、更に眩しすぎないように背景をセピア色に変更したり出来る。ページ送りのスタイル(仕方)も自分の好みのものを選択出来る。

   ところが、電子書籍をよくご存知の方々には無用の説明だろうが、書籍によってはレイアウト変更不可のものもあるので、購入に際しては注意が必要だ。実は、筆者購入済み上記2冊の書籍の内、前者「人工知能とは」の方は、そのレイアウト変更が出来ないタイプに属する。大体この手の物は大型本の専門書などに多い。それは中に図版や写真、数式などから成るページを多く含むものに見られる。

   こちらは、図版などの表示が崩れたりすることが無い代わりに、個々の文字を読みやすいサイズに変更することが出来ない。1頁分なら纏めて拡大することは可能だが、ページ送りの際は固定レイアウトのサイズに戻さねば、ページはめくれない。これが泣き所だ。かと言って、この歳になると大振りの紙の専門書を購入すれば、読書に際しての利便性はあっても、その保管、携帯は今や最大難事となる。

   それで、一見無駄のように見える(不経済であることは間違い無いのだが)各種サイズのタブレットを所有することが、ここで生きてくる。専門書であるから、ざっと流すような読み方は出来ない。とは言え、ページ送りごとに鬱陶しい手順を踏んでいれば、いずれその本を読み続けることが苦痛となり、挫折するに違いない。しかも安からぬ身銭を切っているのだから、どうしても元は取らねばならぬ。そう言った苦い経験も少なからずして来ているので、電子書籍購入前に先ずサンプルをダウンロードしてみて、10インチディスプレイのタブレットなら、どうにか行けるだろう、と判断して購入を決断した。

   後者の「スーパーヒューマン誕生!」の方は紙の本なら新書版だ。従って、レイアウト変更が自由なので、乗り物待ちの時間にスマホで読むのにも何の苦労も無い。

   今述べたような、高齢の人間にとっての不便さを「人間拡張工学」は今後どのようにして解決してくれるのだろう? 楽しみである。
   このテクノロジーは人間能力の限界を拡張して補助してくれるという。それなら、たとえば、これは筆者の想像を交えての思いなのだが、7インチタブレットやスマホのディスプレーでも、バーチャルのディスプレーを表示してくれて、固定レイアウトの文字をユーザーの望みのサイズまで拡大してくれた上、その状態を維持したままページ送りをスムーズに行えるようにして貰えたりするのではないだろうか?こんなことはもう既に実現可能?もしくはもう実現しているのかも知れない。
   次回は、過去に録画しておいたドキュメンタリーの中から将棋の羽生善治氏がリポーターとして世界各地を廻り取材した「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」という番組の感想を交えながら多岐に亘る問題点を観て行きたい。(次回へ続く)

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筆者:ぶらいおん(詩人、フリーライター)

東京で生まれ育ち、青壮年を通じて暮らし、前期高齢者になって、父方ルーツ、万葉集ゆかりの当地へ居を移し、今は地域社会で細(ささ)やかに活動しながら、西方浄土に日々臨む後期高齢者、現在100歳を超える母を介護中。https://twitter.com/buraijoh
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