舛添氏の「中国服で書道が上手くなる」説、記者が実際に買って試してみた

書道のときに着ると、筆がスムーズに走るから――舛添要一・東京都知事が政治資金で購入したとされる「中国服」が話題だ。
2016年6月6日、弁護士が発表した調査結果によれば、上海で購入したというこの中国服は2着で3万5000円程度、舛添都知事は自ら弁護士の目の前で着用して筆をふるって、その効果を実演してみせたという。
判定は、「不適切とは言えないし、違法でもありません」。

書には一家言ある舛添都知事、そして「厳しい第三者の目」を疑うわけではないが、本当に中国服を着ると、書道が上手くなるのだろうか。
というわけでJタウンネット編集部では、実際に中国服を購入、T編集長が着て書いてみた。

「マフィアみたい」「カンフーでもやるの」
舛添氏の中国服がどういうものか、詳細は明らかではない。しかし、文人趣味の舛添氏のことだから、クラシックなタイプの服が好みのはず。
というわけで今回購入したのは、中国の伝統的な男性用衣類である「チャンパオ」。東京・池袋のお店で上下合わせて1万8000円で購入した。

編集部をこの格好でウロウロしていると、「マフィアかなんかかと」「カンフーでもやるの?」「いいとこ留学生だな」などと冷やかしの声が飛ぶ。

ちなみにT編集長、書道は大の苦手で、以前勤めていたバイト先でも「Tくんは、遅刻と字が下手なのがなければねえ......」と言われたくらいの悪筆である。
そんなT編集長でも、中国服を着れば、果たして舛添氏のような見事な書が書けるのか。
袖が引っかかりそうで邪魔!
書き始めてすぐ、一つの問題に気づいた。
「これ......袖が絶対引っかかるよ!」

長い袖をまくりあげる形となっているこのチャンパオだが、袖口がゆったりしていることもあり、ちょっと油断すると、用意していた墨汁や、まだ乾いていない文字の墨に当たりそうになる。
チャンパオ自体は黒だが、めくり上げた袖は白。こんなところに墨が付いたら、どう考えても目立つ。

実際、6日の会見で弁護士は「舛添氏の中国服には墨汁の汚れがあった」と証言している。
「そこまで再現したらいいんじゃないですか?」
カメラマンを務めてくれたS記者はそう言うが、
「嫌だよ! 2万円近くもかけて買った服だよ? 作務衣か何かならとにかく、汚したくないよ!」
――と考えてみると、これより高い中国服を、墨で汚しておいて平気ということは、舛添氏にとってはこのくらいの額ははした金らしい。はした金なら、政治資金に計上しなくても良さそうなものだが。
さて、出来上がった作品は?
そんな発見もありつつ、しばらく筆をふるってみる。


引きずるほどの裾もあって、見た目こそ重苦しいこの服だが、こうして着てみると、スリットも深いし、着物よりは袖も細いし、意外と動きやすい。舛添氏の言う「筆の滑り」は今ひとつピンと来ないが、シルク100%の素材なら違うのだろうか。
というわけで、出来上がったのがこちらになります。


......さすがに、中国服を着ただけでは、字が上手くなるなんてことはないようだ。S記者に感想を求めたが、「ノーコメント」と鼻で笑われるばかりであった。

書道に使えるかはともかく、中国服自体は着ていて快適で、今後とも愛用したい逸品である。

「というわけで、仕事着として使いますから、この服代、経費で落ちませんかね」(T編集長)