福田パン、驚きの2時間待ち! 岩手県民のソウルブレッド、1日限りの上京実演にお客殺到
数々のテレビや雑誌で紹介され、岩手県民のソウルフードとも呼ばれる福田パン(岩手県盛岡市)。給食で食べたような大ぶりなコッペパンに、イチゴジャムやあん、チョコレートなどお好みのトッピングを挟んでオリジナルのコッペサンドを味わうことができる。
この、盛岡界隈では知らない人のいないとも言われる福田パンが、上京して1日限りの実演を行なうとの噂を耳にし、早速駆け付けてみた。
行列の果てにたどり着く、懐かしさあふれる思い出の味
今回の会場は日本橋高島屋の「大いわて展」(2016年4月13日~18日)。福田パンのほかにも、盛岡冷麺や前沢牛、海の幸など岩手の美味しいところをギュギュっと凝縮した物産展だ。
福田パンの実演は初日の13日のみ、14日以降は予め決まった4種のサンドが販売される(それはそれで、うれしいのだが)。
ということで、目指すは初日! 限定800本の中でベストな組み合わせの福田パンを味わおうという計画だ。
雨もちらほら降りかかる当日の朝。開店の10時30分を前にして、高島屋玄関前には多数の人だかり。
「まさか、これ全部が物産展、ましてや福田パン目当てではなかろう。言ってみたってコッペパンだし(失礼!)」と考えた自分が甘かった。
開店と同時にエスカレーターで8階の催会場を目指し、迷うことなく「大いわて展」の会場にたどり着き、福田パンのコーナーを見つけたと同時に「最後尾はあちら」の文字が!!
この時点で開店からまだ6分、福田パンの行列は、8階の会場から階段~7階まで伸びていた......。
一瞬、諦めかけたが1日限定800本で1人5本までということは、800÷5=160! まだ並べば買えるはずと気合いを入れ直し行列最後尾へと並んだ。
しばらく並ぶとそれぞれの購入希望本数の確認と整理券が配られた。もちろんMAXの5本購入を希望し、整理券をもらう。
整理券番号は驚きの394~398。くどいようだが、まだ開店して9分足らず。すでに本日の販売本数の半分が終了。しかも、行列はまだまだ伸びている。
周囲を見渡してみると、高島屋マダムが当然大多数なのだが、スーツ姿のサラリーマン風から若い女性2人組なども多く見受けられた。「前回は1時間半並んだのよ~」などという声も聞こえ震え上がる。
結局、行列開始約1時間15分で、本日のメニュー(組み合わせ例)が渡され、オーダーに頭を悩ませる。
今回、選ぶことができるトッピングは14種。定番のあんこ、ピーナッツクリームなどの他に、すりおろしりんご、夏みかんマンゴージャムなども。迷いに迷ったが、なんとか5本オーダーを完了した。
聞き耳を立ててみると、やはり定番のあんバターはオーダー率100%の様子。そりゃ、これだけ待ったらハズレを引きたくはないし、保険として王道は外せないのはよくわかる。一度オーダーした高島屋マダムが「やはりこっちに......」と変更をお願いしていたり、「どれがオススメなの?」としつこく聞いていたりする気持ちもきっと同じ気持ちからであろう。
そんな集団心理を横目に見ながら、行列は進み、やっと実演風景の見えるところに。パンに具材を挟む係のお姉さんと、パッケージに包みシールを貼る係のお姉さんの2人体制。どちらも手際よくキビキビと働いているが、やはりこれだけの量をこなすのが2人となると、これだけ行列するのもやむなしか。
しかし、この実演を見ているのがものすごく楽しい! 14種の具材をオーダー表通りにテキパキとパンに塗り、出来上がったコッペパンを袋詰めし、中身がわかるようシールを貼る(アレルギー対策?)。2人のコンビネーションがばっちり決まっていて素晴らしいのだ。
結局約2時間並んで、念願の福田パン5本をゲット。今回はどの味の組み合わせでも1本180円(税込)。
ちなみに今回オーダーしたのは
★あんバター
定番の安定感はさすが。あんことバターの組み合わせはカロリーが怖いが、口の中であんこの味の中から不意に顔を出すバターのまろやかさがたまらない。
★ピーナッツバター
たまに給食で出るとみんな大喜びだったピーナッツクリームがたっぷり。しかも、バターも追加されているとあり、懐かしさにちょっと贅沢感を足したような味わいに。
★チョコバナナ
昔、バナナのお菓子といえばこの味だったよね!と言いたくなる風味のバナナクリームに甘すぎないチョコレートが絶妙なバランス。
★すりおろしりんご&ホイップクリーム
りんごの爽やかな風味に、軽い感じのホイップクリームが思ったよりマッチ。りんごがふんわりコッペパンによくなじんで◎。
★夏みかん・マンゴージャム&チーズ
密かに一番の冒険かなーと思っていたが、意外や意外!夏みかんの酸味をほどよくまろやかにするチーズクリームという組み合わせでバランスのとれた美味。
どれも、懐かしさと安らぎを感じるような味でとてもおいしかった。
こうして見ると、やはり自分でどれにしようか、あれはどうかと迷いながら決められるのが、思った以上に楽しい。福田パンの醍醐味である、自分で選べるという体験をできたのは本当によかった。
ただ、今回は甘い系のトッピングばかりだったが、コンビーフにポテトサラダ、キーマカレーなど惣菜系もあるという盛岡の店に行きたい気持ちが高ぶってしまったのは仕方がないところか。いつの日か、その日が来た時にはどんな組み合わせで何本買うことになるのだろう...。
ちなみに、14日~18日は、あんバター(各日150本)、ピーナッツバター(各日150本)、ジャムバター(各日150本)、クッキー&バニラ(各日50本)の4種のみの販売(1人5本まで、1本180円)となるのでくれぐれもご注意を。