福島県磐梯町の「道の駅ばんだい」にはあの人気アニメのキャラクターがいた!
全国から注目の道の駅をご紹介する『全国「道の駅」めぐりの旅』、今回は福島県耶麻郡磐梯町にやってきました!
磐梯町は、福島県会津地方を代表する名峰「磐梯山」の麓に広がる町。面積の70パーセントが森林という自然に溢れた風光明媚な場所です。
名産品としては「そば」が有名で、丘陵地帯にはそば畑が広がっています。晩夏から初秋にかけては白い花を一面に咲かせ、磐梯山との美しいコントラストを見ることができるそうです。また、会津の仏教文化の発祥の地と言われ、高僧・徳一によって開かれた慧日寺を中心とした仏教史跡が観光の見所の一つとなっています。
この磐梯町にある「道の駅ばんだい」は、磐越自動車道磐梯河東ICを降りて、約5分ほどの距離にあります。
この日はあいにくの雪ということで雄大な磐梯山を拝むことはできませんでしたが、山々をどこまでも続く雪景色が神秘的な風景です。
中に入ると早速現れるのは、椅子とテーブルが置いてある休憩スペース。その両側にメインの施設が2つ連なっています。ガラス張りで光の差し込み、明るい休憩スペースは落ち着く空間になっていますね。
入り口から向かって右側の建物が、「野菜の直売所」です。
その他にも、地元産の食品が数多く並んでいます。特にりんごとお米には要注目。この道の駅の直売所では「ふるさと割」というサービスが適用され、通常のお値段から30%オフで購入することができます。
地元産の名物を眺めたら、今度は向かいの建物へ行ってみましょう。こちらはおみやげ品がたくさん並んだ「物産館」です。
そんなお土産の中でも、一番人気だというのが、道の駅ばんだい限定の「おからかりんとう」です。磐梯町の名産品を生地に練りこんで仕上げており、噛むほどに口の中でやさしい旨味が広がります。春はほうれん草、夏はブルーベリー、秋は黒玄米とそばの実、冬は酒かすと、季節に合わせたおからかりんとうがあり、この日はりんご、ブルーベリー、ほうれんそう、の3種類が店頭に並んでいました。
さて、この物産館の一角には、普通の道の駅では見かけない、ユニークなコーナーがあります。ヒントは道の駅の名前……。
「ばんだい」…「BANDAI」…。
そう、この道の駅には、ガンダムなどのプラモデルで知られる玩具メーカー「BANDAI」の商品がそろっています。それも専門店かというほどの品揃え。
このコーナー開設にどんな経緯があったのか、駅長の斎藤治仁さんにお話を伺いました。
斎藤さん「町おこしの一環として、町からBANDAIさんへこんなコーナーを作りたいとお願いしたところ、快く『協力させてください』と返答があり、実現したものなんです。さらに、BANDAIさんのご協力により普通の小売店よりもお得な価格で提供することができています。販売価格は、どんな新商品でも全て10%オフです」
アイデアを行動に移した町と、BANDAIの協力のおかげで、人気コーナーが誕生したんですね。都会で売り切れの人気商品でもしっかり扱う品揃えと、ファンにもうれしいお値段もあって、別の地域からも問い合わせが来たり、隣県からわざわざ買いに来る人も多いとか。この道の駅の目玉商品になっているんですね。
斎藤さん「このBANDAIコーナーもそうですが、そもそもこの道の駅も、人が集まれる場所を作ろうという町おこしの一環で誕生した施設なんです。国や県の主導で作られる道の駅は国道沿いが多いのですが、この施設の前の道は『県道』です。それでも道の駅の認定は受けられるということで、町主導で建築が始まりました。施設は、町と県と国という違う自治体の建築が3つ分かれて立っていますが、施設運営は連携して行えるようになっています。昨年には野菜直売所の売り場の拡大リニューアル、そして今年2月には物産館のレジの場所を売り場の中心に移設したり商品陳列の高さを低くしたりと、より利用していただきやすいようにリニューアルいたしました」
近年のリニューアルでますます良い道の駅になっているんですね。
斎藤さん「道の駅にある『加工製造室』では、軽食コーナーで販売している『磐梯山ころっけ』のように、地元の食材を生かした名物を作るために、日々商品を研究開発しています。『そばソフトクリーム』も、名産品の活用と美味しさを追求した結果の商品です」
また、この道の駅にはBANDAIコーナーと同じくらい人気のコーナーがあるとか。それが「海産物コーナー」です。福島県の内陸部である磐梯町で、なぜ海産物なのでしょうか? これらの海産物は青森県から仕入れているようですが…。
斎藤さん「これは歴史的な背景が関係しています。戊辰戦争で敗れた会津藩士は、現在の青森県むつ市にあたる斗南藩に移封されました。そのことから会津ゆかりの地ということで青森県の海産物を販売しているんです。現在、当道の駅の利用客の半分は地元の方です。この海産物は県外からのお客様はもちろんのこと、地元のお客様向けという側面もあります。冷凍ですが、ホタテ、イカ、サケ、サバ、ウニなど、山間の町だとは思えない海の幸がそろっていますよ」
さらに、物産館の奥にある「食事処」にも、磐梯山をモチーフにした面白いメニューがあるのだとか。
それは「磐梯山岩なだれカレー」! 「岩なだれ」とは、山が噴火した後におきる現象の一つで、山肌が崩れ落ち大小の岩とともになだれ落ちること。現在の磐梯町の地形は約4万年前に起きたと言われている磐梯山の噴火により起きた岩なだれによって作られているそうです。
肝心のお味は、キーマタイプのカレーは中辛で、マイルドな辛さが後をひく美味しさ。磐梯山の語源ともなった岩の梯(ハシゴ)をかたどったアスパラが箸休めにちょうどいいですね。お持ち帰り用のレトルトパックも販売しているので、おみやげとしてもおすすめです。
磐梯町の魅力がたくさんつまったこの道の駅。春になれば施設の外には広々とした「ドッグラン」もオープンします(冬季休業)。また、電気自動車向けの急速充電スタンドも完備。電気自動車での登山をするなら、ここでしっかりとチャージしておきたいですね!
これから暖かくなり、雪解けを迎えればその後には登山シーズンが待っています。磐梯山をはじめ、猫魔ヶ岳、厩嶽山、古城ヶ峰など名峰が多くある磐梯町。その拠点として道の駅ばんだいを利用してみてはいかがでしょう。登山前のエネルギー補給、登山後のお土産の購入など、寄ってみて損はないはずです!
施設情報
●道の駅ばんだい
住所:福島県耶麻郡磐梯町大字 磐梯字十王堂38番地
営業時間:
お土産コーナー 8:00〜20:00
ふるさと新鮮農場 9:30〜18:00
軽食コーナー 9:30〜17:00
食事処会津嶺 11:00〜18:00
http://www.michinoekibandai.com/
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。
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