「字餅米もちだんご村餅乃神社前」...せんべい屋さんのほのぼの住所、その由来を聞いてみた
先日、せんべいを食べていたら、パッケージに書かれた「住所」にクギ付けになった。
「福岡県直方市下境2400番地字餅米もちだんご村餅乃神社前」
もちだんご村って、どんな村なの? そもそも番地の後に「字」が来ていいの? しかも「餅乃神社前」って、住所というより位置関係でしょ!!! ――完全に魅了されてしまったJタウンネット記者は、メーカーに電話してみることにした。
敷地内に「餅乃神社」は実在した
この商品を出しているのは「もち吉(きち)」。「餅のおまつり」といったスタンダードなおせんべいから、チョコをまとった「あられクランチチョコ」まで、バリエーション豊富な商品を出している米菓メーカーだ。上記の住所に本社を構え、通信販売のほか、全国各地に店舗網を持っている。
住所について「もち吉」の広報部門を担う「もち吉エージェンシー」に聞くと、かつて工場近辺は「字餅米」と呼ばれていたと明かしてくれた。公式サイトによると、かつて一帯が良質なもち米の産地だったことに由来するという。
目指すのは「昔なつかしい里」
郷愁あふれる、もちだんご村。パッケージ上だけでなく、実際の「街づくり」にも取り組んでいるという。
「せんべいがある、もちがある、だんごがある。それから天然の地下水が出るんですよね。豆腐も作っています。昔なつかしい『里』を目指しているんです。そういうストーリー的な志があります」
近代的な工場を建てる一方で、「見て楽しんでもらう」ために三連水車を設置。さらに水車のかたわらには、そば屋をオープン予定だという。
「結局は、来て楽しくなるところにしよう、ということです。まあ、いっぺん見に来られることですよ。ハッハッハッ」
取材をするまで、ただのインパクト狙いかと思っていた記者。そこに込められた「やさしさ」と「アツい思い」を知って、興味本位で話を聞いてしまったことを、少し反省した。九州を訪れた際には、ぜひ「餅乃神社」にお参りしてこようと思う。