サルにはバナナをあげない方がよかった!? 宇部・ときわ動物園で意外な発見
サルとバナナはベストパートナーだといわれる。片方を思い浮かべると、もう片方も連想してしまう人も多いだろう。しかし、そんな「サル=バナナ」の図式を崩した動物園がある。
山口県宇部市のときわ動物園では、昨年からサルの餌のメインを野菜類にしているという。
ではなぜ、餌にバナナを使わなくなったのだろうか?実際に動物園にインタビューを行った。
バナナ断ちが健康改善に
サル=バナナというイメージは強く、サルも喜んで食べているように見える。
それに対して、飼育員の方は「野生で手に入る果物と、私たち人間の食べる果物では、栄養や食物繊維の量に大きな違いがある。より野生の果物に近い野菜類を中心の餌に切り替えたことで、動物たちの食生活も自然に近いものになった」と応えた。
また、餌を変えたことにより、健康状態や毛並みの改善が見られるなど、サルにとっても良い効果が出ているという。
確かに、サルが住んでいる地域に必ずしもバナナがあるとは限らず、現に日本には本来バナナは生えていない。イメージというのは恐ろしい......。
ありのままのサルの姿が見られる
そのときわ動物園が、大幅なリニューアルを経て、2016年3月19日にグランドオープンする。
先行で公開されている「アジアの森林ゾーン」と「学習施設ゾーン」に加え、「中南米の水辺ゾーン」、「アフリカの丘陵・マダガスカルゾーン」、「山口宇部の自然ゾーン」の計5つのエリアがオープンされる。
ときわ動物園の最大の特徴は、動物の展示方法にある。
高木や草原、湿原など、動物たちが暮らしていた本来の環境を再現した生息環境展示を採用し、オリや柵越しには見ることのできない、動物たちの自然な姿を見ることが出来る。
また、見どころについて「国内有数のサルの種類と展示数が強み。多数の種類を飼育しているが、それぞれに合わせた環境を作ることで、サルたちの個性豊かな姿を見ることが出来る。地域によってゾーンが分かれているので、世界旅行をしている気分で各地のサルと出会える」と語った。
そうした自然の姿に加え、「2016年の寒波では、宇部市にも積雪があった。暖かい地域出身のサルたちにとって、雪はとても珍しい。最初はおそるおそるという感じだったが、最後には雪を触ったり食べたりしていた」など、ときわ動物園ならではの姿も見られるようだ。