「梅田ダンジョン」工事開始で「会社への行き方がわからんくなった...」
屋上のビアガーデン野宴やブックファースト梅田店の入っているビルとして親しまれた大阪駅前の「新阪急ビル」。2014年10月1日から建替え工事に入るため、9月30日から閉鎖された。
同ビルの地下は、地下街のホワイティうめだから大阪駅前第4ビルに抜ける近道でもあった。
ホワイティうめだは地下鉄御堂筋線、谷町線、阪神電車の各改札口につながる「広場」のような地下街。
一方、大阪駅と北新地駅との中間にある駅前第1~4ビル(大阪駅前ビル)の地下街は、庶民的な飲食店や金券ショップが密集し、味にうるさい大阪人を満足させる店が揃っている。日本最強の雑居ビルとしてテレビで紹介されたこともあるほど。
両地下街を往来する人にとって新阪急ビルは、重要な中継地点だったというわけだ。
ただし、ホワイティうめだとの連絡口は地下1階にあったのに対し、駅前第4ビルに至る通路は地下2階。つまり1フロア上下に移動しなくてはならない。ビル内部のレイアウトも相まって迷いやすいスポットの1つとして知られていた。
覚えるのに時間はかかるものの慣れれば便利なこのルート、今日から閉鎖になることを忘れていて面食らう人もいる。
新阪急ビル通れなくて面倒臭くなった(._.)
— kisuke (@kisuke1025) 2014, 9月 29
わぁ(>人<;)
新阪急ビル今日から閉鎖なんだ!
いきなり通せんぼされるとどうやって会社行けばいいかわからんw
遅刻するよー(>人<;)
— yuny (@yuinino0617) 2014, 9月 29
今日からは東梅田駅から第4ビルにつながる地下通路を利用するか、「ディアモール大阪」のマーケットストリートを通ることになる。
新阪急ビルを通路として使えるのは来月までらしい。 pic.twitter.com/qzxYwenQ0C
— Kazuhiro NISHIYAMA (@znz) 2014, 8月 16
新阪急ビルは、隣接する大阪神ビルディング(阪神百貨店梅田本店)と一体で再開発される。
2つのビルは一体化され、地下4階・地上38階の高層ビルに生まれ変わり、延べ床面積は現在の約1.7倍の規模となる。御堂筋を挟んで向かいにある阪急百貨店梅田本店のビル(高さ約187メートル)がもう1つできるイメージだ。全面開業は2022年春頃を予定している。
現在の地下街が形成された頃は阪急と阪神がバリバリのライバル関係にあり、市と阪神が建設にあたったディアモール大阪は、阪急から横やりが入ったといわれる。
複雑怪奇な梅田ダンジョンが覇権争いの副産物と考えるのはうがちすぎだろうが、21世紀に両社が協力し合って梅田の再開発に踏み出す意義は大きい。
再開発の一方で閉店する「串処・松葉」
同時にJR大阪駅と阪神百貨店の間を走るアリバイ横丁こと「大阪駅前地下道」の拡張工事も実施される。横幅最大8メートルの通路は15メートルに広がるが、市から占有許可を受けていた約20店舗が9月30日を期限に立ち退きを迫られている。
御堂筋線南改札口前という一等地で1948年から営業を続けてきた「串処・松葉」。いかにも大阪っぽい雰囲気の店で、梅田で最も有名な串カツ屋といっても過言ではない。同店も立ち退くよう市から通告されている。
新梅田食堂街にある総本店でも同じメニューが食べられるそうだが、常連客の間からは閉店を惜しむ声が挙がっている。
明日で閉店する串カツ松葉にまさかの行列! pic.twitter.com/aYlnmEy1gp
— 佐野 初夫 (@hatsanhat) 2014, 9月 29
庶民の味、串カツの「松葉」ウメチカ店。
閉店を名残惜しむ人の行列。
明日の9月30日で閉店だそうです。
大阪の名所がまた一つ無くなります。 pic.twitter.com/vmZUHwW0WH
— 粒屋呟 ウサビッチ (@speeaakeeaasy) 2014, 9月 29
梅地下へ。
そういえば降りたとこの松葉が明日で閉店するようで、普段の倍以上の人で溢れて賑わっている。僕が学生だった頃は西の阪神プレイガイド近くにあって、よく行った串カツ立ち飲み屋。時代は常に流れている。
— 木暮 修 (@kogureosam) 2014, 9月 30
大阪・梅田の大阪駅前地下道の串カツ「松葉」、立ち退き期限の今月末以降、すなわち来月以降も営業を続ける構え。大阪市側は、行政代執行も辞さない構え。
— 釋雅音(げおん) (@shakugeon) 2014, 9月 26