長野は「関東」に入りますか? 県民「Suica使いたい!テレ東見たい!」
関東甲信越、とは言うものの、地理的・交通的にも比較的関東とのつながりが深い山梨県に対し、長野県の立場はちょっと微妙だ。
NHKや「関東地方知事会」などでは、長野県も「関東」に準ずる形で扱われている。一方で「首都圏」といえば山梨県も入るが、長野県は入らない。もちろん一義的には「中部地方」なのだが、関東の仲間になれそうでなりきれない――それが長野県のポジションだ。
その辺の県民の不満をうかがえるのが、長野県が開設している「県民ホットライン」に2013年4月8日に寄せられた声だ。
「テレビ東京の系列局を作っていただきたいです。それから、Suicaなどのカードを長野県内のどこでも使えるようにしていただきたいです。長野県はとても良いところなのですが、情報が一部遮断されたり、文明の機器に対応していないところが不満です」
「情報が一部遮断されたり、文明の機器に対応していない」とはずいぶん大げさなように感じられるけれども、当地の県民にとっては切実な訴えだ。
特にそれを象徴しているのが、Suicaだ。長野県内を走るJRの路線は、東日本、東海、西日本の3社に管轄が分かれる。このうち県内の拠点を押さえているのはJR東日本だ。ところが、長野新幹線の4駅を除き、現時点でSuicaを利用できる駅はない。山梨県で甲府駅を含むJR中央本線上野原駅~韮崎駅間でSuicaが使えるのとは好対照といえよう。
もっとも投稿から約1年後の2014年4月1日から、長野県の一部が「東京近郊区間」に組み込まれることになった。そして松本・塩尻・岡谷・下諏訪・上諏訪・茅野・富士見・小淵沢・清里・野辺山の8駅でSuicaが利用できるようになる。
ただし残りの駅は非対応のまま。4月1日以降運賃体系が2重ルールになり、切符の方がお得になることもあれば、ICカードの方がお得になることもある。しかし、長野県のSuica非対応駅を利用する場合、切符しか選べない。なお、JR東海のトイカとJR西日本のイコカについては、長野県は圏外だ。
ちなみにテレビ東京系の放送局については、開設の予定は「ない」という。長野の微妙なポジションは、当面そのままらしい。