「福岡から、東京の大学に新幹線で毎日通ってます。片道5時間」
「福岡→東京間通学、片道5時間。疲れています」。読売新聞のQ&Aサイト「発言小町」に大学1年生の女性が投稿した内容がネットで議論を呼んでいる。
女性の美樹さんは、2014年2月1日に投稿した。2月6日12時時点で129のレスが寄せられている。
投稿によると、美樹さんは福岡在住で、東京の大学に新幹線で通学している。これは本人の希望ではなくご両親の強い意向によるもので、別居は絶対に許してもらえないそうだ。
飛行機は心配なので却下。そのため4時半に起床し、始発の「のぞみ」に乗車。東京駅に着くのは11時で、受講できるのは2・3・4限に絞っている。授業が終わったらすぐ東京駅に向かい、自宅に到着するころには日付が変わっている。
「この1年過ごしてみて、毎日福岡→東京間の往復は疲れました。必要な授業に出られないので卒業も危ういし、友人とも遊べず。車内では睡眠をとるか教科書を読んでおり、自由な時間がまったくありません。親は留年については気にならないみたいです。とにかくこの大学に通ってほしいだけだと。」
さて、あまりに突飛な内容で真偽のほどは定かではないが、この「片道5時間通学」、はたして実現は可能なのか。
通学代は月80万円以上!?
そもそも、いったいどれくらいの通学代がかかるものなのか。
東京・福岡間を走る「のぞみ」の運賃は、通常期の普通車指定席が片道2万2320円、往復4万1940円。新幹線にも通学定期はあるが、極端に距離が長い場合定期券は発行されない。ただし博多駅出発なら「のぞみ早得往復きっぷ」を使えば、出発日の21日前から7日前まで購入することができ、往復料金は3万4000円まで下がる。
しかし美樹さんは「切符は、父名義のクレジットカードを使いみどりの窓口で毎回買っています。鉄道会社関連ではない普通のカードなので、恐らく定期等ではない通常購入です」と補足している。ということは、月に20日通った場合、往復乗車券で83万8800円かかる計算になる。長期休暇を考慮しても、年間800万円は確実に必要だ。
午前中の授業出席はほぼ不可能
次に気になるのが所要時間だ。福岡から東京へ向かう一番早い新幹線は、博多駅6時5分発の「のぞみ2号」だ。東京駅に着くのは11時13分。学校の所在地は不明だが、普通に考えれば午後の授業しか出席できないはず。下りの最終は18時50分の「のぞみ59号」、博多駅に着くのは23時56分だ。
1限に出席するのはどう考えても無理で、2限も授業が佳境に入ったころの入室となってしまう。しかもトピ主の美樹さんによれば、2限は必修だという。
このままでは確実に卒業できないはずだが、ご両親が一人暮らしを決して許さないのはなぜか。美樹さんの追記に、とっても気になる一文があった。
父によると、このような理由でした。
・家業(お察し下さい)ゆえに、子女が報復の的にされる例を同業者でよく見てきた。
・経営者に知り合いがいる今の大学に、新幹線で通わせるのが最善と判断。実は、気付かれないように毎朝護衛の者を同乗させていた。
繰り返しになるが、この投稿の真偽のほどは定かではない。