「いらないよ」北海道の山村で出会ったおじさんがひと言 数十年後に再び訪れたら(神奈川県・70代男性)
バイクで転倒し、ハンドルが曲がってしまった。このままだと帰れない。
北海道の山村で半世紀ほど前に起きた出会いが、若者を救いました。
神奈川県在住の70代男性(投稿時)、Mさんの若き日の思い出。
<Mさんからのおたより>
五十数年前、高校生の時の出来事です。
当時、生まれ故郷・北海道の中央部、大雪山系を見渡せる盆地に住んでいました。
勉強に疲れた時など、バイクに乗って山の方に、道が無くなるまで走り自然の中で癒されたものです。
ある日、(後日TVドラマで有名になった)山村に差し掛かった際、舗装が切れて砂利道になる所で転倒してしまいました。
まるで魔法のような早業
幸い私自身にけがはありませんでしたが、バイクのハンドルがぐんにゃり、あらぬ方向に折れ曲がってしまい、乗れなくなってしまいました。
どうしょうかと途方に暮れながら集落に向かってバイクを押して行くと、100メートルほど先にバイクや自転車の修理店がありました(当時は、ちょっとした集落にも、修理店、鮮魚店、文房具店などがあったのです)。
私が中年のおじさん(多分、店主さん)に事情を説明すると、何も言わず奥から複雑な形をした道具二つを持って来てハンドルに引っ掛け、えいやっとばかりに力を加えました。
一度で、曲がったあとも分からないほどきれいに元に戻ったのです。まるで魔法のような早業に、呆気に取られてしまいました。
所持金が無いことを伝えると、おじさんは、笑顔で、
「修理代はいらないよ」
と一言。
バイクは、親戚の叔父さんから借りていたので、私は、親に事情を話せず、お礼に行くこともなく、そのままになってしまいました。
成人し関東に就職後もずっと気がかりで、数十年後に帰省した時に訪問しましたが、既にお店は無くなっていました。お礼ができないまま、今日に至ります。
おじさん、あの時は本当にありがとうございました。お礼にうかがえず、申し訳ありませんでした。
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