後ろ後ろ後ろーッ! ごはんに夢中のウミガメさん、バタバタしすぎてまさかの結果に
2023年5月29日、次のような動画付きのツイートが投稿され、いま話題になっている。
小さなカメが懸命にエサをもらおうとしている......のだが、バタバタと動き回るせいで、降ってくるエサが全て後方に流れていってしまっている。
思わず「後ろ後ろ!」と声をかけたくなってしまう、なんともユーモラスな光景だ。
「道の駅ウミガメ公園」の公式アカウント(@umigamekouen)が投稿したこの動画には、3万件を超える「いいね」が付けられている(6月12日現在)。
また、あまりにも愛らしいカメの様子に、ツイッターではこんな声も。
「可愛過ぎる」
「きみ、少し落ち着きたまえ」
「溺れているように見える子亀」
「カメあるあるですね」
いったいこれはどういう状況なのだろう? Jタウンネット記者は「道の駅ウミガメ公園」を取材した。
予想以上の懐っこさとポップな動き
「道の駅ウミガメ公園」は1993年に開業した三重県の最南端に位置する紀宝町(きほうちょう)にある、日本の道の駅で、唯一ウミガメの保護・飼育を行っている場だ。施設内にある「ウミガメ水族館」で、大きなプールで泳ぐウミガメに出会える。
もちろん、道の駅らしくおみやげショッピングも楽しめる。水族館と道の駅が合体した、きわめてユニークな場所なのだ。
Jタウンネット記者の取材に応じたのは、ウミガメの飼育員の伊藤柊也さんだった。
伊藤飼育員は、5月28日、ウミガメ公園内の飼育棟で、展示しているダイヤモンドガメにエサを与える際に、この動画を撮影したそうだ。
ツイートが話題となった原因を伊東飼育員は、
「カメが皆さんの予想以上に人懐っこかったことと、ポップな動きがウケたのだと思います」
と推察する。
「世界で最も美しいカメ」
ところで、そんなポップな動きを見せてくれたダイヤモンドガメとはどんなカメなのだろう?
「ダイヤモンドガメは汽水域に生息するカメで、甲羅の模様と形がダイヤモンドに見えることからこの名が付きました。ペットとしても人気の種類で非情に人懐っこいのも特徴です」(伊藤飼育員)
「世界で最も美しいカメ」とも言われていて、ダイヤモンドの名に恥じない神秘的な模様が魅力。「人に慣れるのもこの種の特徴で、ペットとして非常に人気......」(ウミガメ公園解説板より)とのこと。
飼育で苦労する点を聞くと、伊藤飼育員はこう答えた。
「甲羅を綺麗に育てるのが難しいです。飼育しているカロリナダイヤモンドガメは、本来であれば甲羅に円状の模様があるのですが、その模様をキレイに出すのが難しいです」(伊藤飼育員)
「道の駅ウミガメ公園」では、ダイヤモンドガメを2匹飼育している。汽水域に生息する特異なカメで、カメの生態について学ぶ上で外せない種類だと考えているそうだ。
「道の駅ウミガメ公園」では希少でかわいいダイヤモンドガメのほか、紀宝町へ産卵にやってくるアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイなど、20種類以上のカメも飼育中。
カメたちを間近に見てみたい読者は、一度足を運んでみてほしい。