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あっちにペタリ、こっちにペタリ サメにくっつく「コバンザメ」はドアにも棚にも貼れるらしい

福田 週人

福田 週人

2021.12.01 20:00
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「コバンザメ」という生き物を知っているだろうか。頭部の背面についた小判型の吸盤で大型のサメやクジラ、ウミガメなどの体にくっついて、食べ残しや排泄物を食べて暮らす魚だ。

そんな「くっつく魚」であるコバンザメを、実際に自室のあちこちにくっつけてみた――。そんなユニークな試みが、ツイッターで話題になっている。

ぴったり貼りつくコバンザメ(画像は夢海@YUMEUMI27さんのツイートより、以下同)
ぴったり貼りつくコバンザメ(画像は夢海@YUMEUMI27さんのツイートより、以下同)

こちらは、埼玉県在住のツイッターユーザー・夢海(@YUMEUMI27)さんが2021年11月27日に投稿した写真だ。

白い戸棚の扉にマグネットのように貼りついているのは、お腹側をこちらに向けたコバンザメ。ぬいぐるみやプラスチック製の玩具ではなく、本物だ。

海中を泳ぎ回る大型魚類の体に長時間くっついていられるくらいだから、たしかにコバンザメの吸着力はかなりのものだろうけど......水の外でもこんな風にくっついていられるとは驚きである。

扉に貼りつけられたコバンザメの写真に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「水から上げてもちゃんと付くんですね!それはぺたぺたしてみたくなる」
「コバンザメ型吸盤とかあったら売れるかも」
「お魚以外にもくっついちゃうんですね...。ツルンとした所でないと付かないんだと思ってました」
「驚きの吸引力」

Jタウンネット記者は12月1日、このコバンザメについて投稿者に話を聞いた。

データ収集のために

子供のころから魚好きだという夢海さんは、現在は水産職で働きつつ、魚の面白さを発信するべくツイッターでの発信も行っている。

棚にくっつけられたコバンザメは鹿児島県で漁獲された個体で、それを夢海さんが都内の鮮魚店で購入。自室に持ち帰り、木製のドアやガラスケースなどに貼り付けて撮影した。

「扉や戸棚など異なる材質のものに貼り付けて、どのような材質に、どういった状況下で貼りつく事が出来るのか、というデータをまとめる為に行いました。
投稿では『遊んだ』という表記をしましたが、これは少し誇張した表現で、本来の目的はあくまでも情報・データ収集になります」

と夢海さんは語る。

木製のドアにも貼りつくコバンザメ
木製のドアにも貼りつくコバンザメ

検証の結果、正確に時間は計測していなかったものの、「構造上かなりの時間貼りついている事は可能だと思います」。また、3キログラムほどのまな板にくっつけたままコバンザメを持ち上げても、まな板が剥がれることがないくらいの強度があったそうだ。

検証の後は美味しくいただきました

様々な「くっつき」のデータを収集し、「大変満足だった」という夢海さん。

その後、コバンザメは刺身や握り、しゃぶしゃぶ、塩焼き、天ぷらなどにして食べたそうだ。

あまり食卓に出てくるイメージはないコバンザメだが、そのお味はどうだったのだろうか?

「近い魚で言うと、お寿司屋さんなどで人気のカンパチに近いです。あら骨からもいいダシが取れます」(夢海さん)

どうやら、食べてみるとなかなか美味しい魚のようだ。ちなみに、カンパチもコバンザメも同じ「スズキ目」の魚である(そう、コバンザメは「サメ」ではないのだ!)。

食べても美味しいコバンザメ
食べても美味しいコバンザメ

夢海さんは、投稿に多くの反響があったことについて、

「思った以上の反応に驚いております。これをきっかけに魚に興味を持って欲しい、というのが大きな想いです」

と感想を述べた。また、「見た目や先入観によらず、実は食べて美味しい魚と言うのは数え切れないほどいる」と続ける。

「現状でも、『未利用魚』と呼ばれ、漁獲されても使われずに破棄されてしまう魚たちがいます。そんな魚たちの魅力や美味しい食べ方を発信して、魚を笑顔に、みんなを笑顔に出来ればと思います」(夢海さん)
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