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「食通を気取るのは、やめて」 兵庫県のフグ毒啓発ポスターが辛辣すぎると話題に

松葉 純一

松葉 純一

2020.12.27 11:00
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すっかり寒さが厳しくなってきたが、そろそろフグが美味しい季節だな、という食通の読者もいらっしゃるだろう。刺し身にしても、鍋にしても、これからが美味しい。フグの旬は、まさに冬なのだ。

2020年12月23日、そんなフグに関して、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。知人から送られてきたという兵庫県のポスターが、思わぬ反響を呼んでいるのだ。

ポスターには、可愛らしい2匹のフグのイラストがデザインされている。なんともホンワカした、思わず癒やされる絵だ。ところが、「可愛いけど辛辣で草」「左上の文句が突き刺さって死にそうです」といったコメントが添えられている。

その左上に書かれている文句というのは、

●キモ(肝臓)、マコ(卵巣)は、食用禁止。
●素人調理は絶対にやめましょう。
●食通ぶるのもやめましょう。

かわいいイラストとは正反対の、シリアスな注意、3項目である。

特に下2つの、「素人調理」「食通ぶる」という言葉がとげとげしい。このアンバランスさが大きなインパクトを生んでいるようだ。

Jタウンネット記者は、投稿者の茸本 朗(たけもとあきら) (@tetsuto_w)さんと、このポスターを制作した兵庫県庁生活衛生課に取材した。

「食通を気取るのは、やめていただきたい」

写真提供:兵庫県健康福祉部健康局生活衛生課
写真提供:兵庫県健康福祉部健康局生活衛生課

投稿者の茸本 朗さんに、このポスターについての感想を聞くと、「『関西じゃ啓蒙ポスターでさえもユーモアがあっていいな』と思いました」ということだった。

Jタウンネット記者は次に、兵庫県庁の健康福祉部健康局に電話で聞いてみた。答えてくれたのは、生活衛生課の担当者だった。

「このようなポスターは、フグ毒に関して県民に注意を呼びかけ、啓蒙するのが目的で、もう30年以上も前から作られています。実際に事故が起きるのは、年に1回程度だと思います」と担当者。

今回のポスターの大きさは、B3サイズ。兵庫県内で約3400枚配布されたそうだ。配布先は、飲食店や魚介類販売店。神戸市などの人口が多い都市圏が多いらしい。

「釣りをされる方が、フグを釣って、自分で料理されることも、原因の一つのようです。ポスターにも書きましたが、素人調理は本当に危険です。また飲食店などでは、キモを提供しろと依頼することもあるようですね。食通を気取るのは、やめていただきたいですね」

フグの毒は、テトロドトキシンという猛毒で、一般に肝臓、卵巣、皮の毒力が強いという。

厚生労働省のウェブサイト内にある、フグ毒に関するページには、次のように記されている。

「毎年30件程度のフグ中毒が発生し、約50名が中毒する。そのうち数名程度が死亡する。死亡率が高く、日本で起こる食中毒死亡者の過半を占める」
「食後20分から3時間程度の短時間でしびれや麻痺症状が現れる。麻痺症状は口唇から四肢、全身に広がり、重症の場合には呼吸困難で死亡することがある」

フグはおいしく、安全に! 味わいたいものだ。

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