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「良い時計してはりますなぁ」→京都弁で「話が長い」の意味って本当? 専門家に聞いてみた

笹木 萌

笹木 萌

2019.08.27 06:00
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「特に京都は、本音と建前が絡み合ってて...」

今回のケースで思い出されるのが、上方落語の「京の茶漬け」という演目。来客の帰宅を促す「ちょっとお茶漬けでも」という社交辞令を巡る小噺だ。

篠崎教授自身は、「良い時計してはりますなぁ」という言い回しは聞いたことがないとのこと。

しかし、過去に京都のある家に訪問した際、気が付けばお昼近くまで居てしまったところ「お昼でも用意しましょうか」と言われたことがあるという。言い回しは違うが、その状況から「京の茶漬け」を思い出したそうだ。

「もともと日本人の文化的な背景として、断定を避けることがあるわけですよね。『8時です』って言えばいいのに『8時になります』とか、『こちらでございます』を『こちらの方になります』とか。はっきり言わないことを謙譲の美徳というか、相手に対する配慮につながるという発想があるんでしょうね」

篠崎教授は、今回のケースも「時計に注目させることで、あえて(時間が経っていることを)ほのめかす」といった、本音ではない建前を言う一つの言い回しだと推測する。

「地域によってどういう言い方が定着するかっていうのはいろいろあると思うんですけど。特に京都は、本音と建前が絡み合っててコミュニケーションがよそ者にはとりにくいっていうステレオタイプ的なものがあるので、それが京都的だって捉えられるのかもしれないですね」

では、もしそういった遠回しの言い方をされてしまったら?

「京の茶漬け」のようにお茶漬けを頂こうとするのではなく、相手の気持ちを汲み取って行動するのが、その後の関係のためにも良さそうだ。

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