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走れメロスならぬ「箸入れメロス」 太宰ゆかりの老舗旅館、まさかのダジャレ企画に反響

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2019.06.06 06:00
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走れメロスならぬ、「箸入れメロス」――。太宰治ゆかりの温泉旅館「安田屋旅館」(静岡県沼津市)が、2019年6月1日から始めた宿泊客へのサービスが話題になっている。

太宰の生誕月にあたる6月限定で、「箸入れメロス」と書かれた箸袋を朝食時に提供しているのだ。念のため説明しておくと、太宰の短編小説「走れメロス」をもじった直球のダジャレである。

安田屋旅館公式ツイッターより
安田屋旅館公式ツイッターより

こうしたサービスを始めた理由は何なのか。Jタウンネットは6月5日、安田屋旅館の担当者を取材した。

「斜陽」執筆した老舗旅館

1887年創業の安田屋旅館は、晩年の太宰が「斜陽」を執筆した場所だ。太宰は1947年2月、約1か月にわたって滞在。ベストセラー小説となった斜陽の1章と2章を、ここで書き上げたとされている。

「斜陽」(新潮社)
「斜陽」(新潮社)

そうした縁から、安田屋旅館では太宰の誕生日6月19日にあわせて「生誕祭」を行っている。今年は16日(日曜)に実施。斜陽に登場する「グリンピイスのスウプ」など太宰ゆかりの昼食を提供したり、太宰作品の朗読会を開いたりする予定だという。

この生誕祭を盛り上げるために始まったのが、「箸入れメロス」のサービスだ。少し無粋かとは思ったが、念のためネーミングの由来を聞くと、

「ダジャレですね。それ以上も以下もございません」(担当者)

という。実際に箸入れを提供した際の反応を聞くと、「お客様には、クスリと笑っていただいています」とのことだった。

ただ、コミカルな企画には理由がある。実は、安田屋旅館はアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台になった場所でもある。最近では、聖地巡礼で旅館を訪れる若い客が増えているそうだ。そのため担当者は、

「『ラブライブ!』のファンの皆様にも、太宰に親しんでいただきたいのです。なので、少しでも興味を持っていただければと思い、今回のダジャレのようなポップでライトな企画になりました」

と話していた。

なお、施設内には太宰の作品などを集めた「伊豆文庫」という資料館もある。箸入れをきっかけに太宰に興味をもった宿泊客は、ここを訪れるのもよさそうだ。

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