北陸ナンバーワン都市はどこ? 全国的には新潟優勢も、地元では金沢圧勝のナゾ
全国的には新潟優勢も、地元に限ると...
次に都道府県別の結果を見てみる。2強の新潟・金沢のどちらがより多く票を得たかを分析すると、新潟優勢が27都道府県、金沢優勢が15府県となった。福井・富山が最多得票を獲得した地域はなかった。
まず地元の北陸4県では、新潟以外の3県で金沢派が圧勝。北陸3県(富山・石川・福井)の盟主としての面目を保った形だ。北陸4県だけの結果(全526票)で見ると、金沢が320票(60.8%)で、新潟の170票(32.3%)を大きく上回った。
こうした結果になったのは、位置関係的に北陸3県の結びつきが強いことや、新潟が東北地方や信越地方のくくりで扱われることがあることも影響しているのかもしれない。
また新潟と石川の「直接対決」の結果を比較すると、新潟では金沢への票が39.2%。一方、石川で新潟への票は18.3%にとどまった。石川県民の方が地元愛は根強い様子。逆に新潟県民が謙虚ともいえそうだ。
全国に目を移すと、金沢の得票が多かったのは特定の地域に集まっている。東海・北陸から関西にかけてのエリアで優勢なのだ。静岡・岐阜・富山から西は大阪まで、隣接する10府県で金沢優勢だ。
こうした結果は、金沢と東海・関西の結びつきがいかに太いかを裏付けている。例えば金沢には中日新聞の北陸本社があり、小売業では名鉄グループのめいてつエムザが進出。関西とは北国街道や北陸線で密接につながっているわけで、人的・経済的な交流はとても太かった。
このため、金沢の方が身近でかつ文化風土を知っている人が東海・関西に多く、その分多くの票を得たものと思われる。
基本的には人口が多く政令指定都市にもなった新潟に多く票が入る中で、東海・関西とのつながりの強さを金沢が見せつけた。富山・福井でも石川に近い結果になったことで、同じ北陸4県でも新潟とそれ以外には、文化的・心理的に見えない境界線があるようだ。