古代史好きなら一度は作ってみたい「三角縁神獣鏡チョコ」! 生みの親の「実験考古学系スイーツ僧侶」に話を聞いてみた
シリコン製の鋳型にチョコレートを流し込んでみた...
冒頭で紹介した三角縁神獣鏡チョコワークショップの講師を務めるのは、福井市立郷土歴史博物館学芸員であり、福井県越前町にある朝日観音福通寺住職でもある、藤川明宏さんだ。「実験考古学系スイーツ僧侶」とも呼ばれている。
Jタウンネット編集部は藤川さんに電話で話を聞くことにした。
今回のチョコレートづくりの元になった三角縁神獣鏡は、2000年、福井県内の古墳から発掘されたもので、2004年から博物館でも展示されている。今から1700年ほど前、古墳に埋葬された王(権力者)が、重要な祭祀、儀礼のために用いていたものと推測されている。古代のパワーアイテムだったのかもしれない。
当初、レプリカをつくるため、シリコン製の鋳型をつくり、石膏を流し込んで教材として使用していた。「白いレプリカではなんか物足りなさを感じて、チョコレートを流し込んでみたらどうだろう、と軽いノリで始めたのがきっかけでした」と藤川さん。2012年、福井の博物館のイベントでワークショップを行ったところ、大好評で、翌年から奈良でも行ったという。
三角縁神獣鏡の大きさは、直径22センチ、チョコレートの量は約300グラム。シリコン製の型に流し込んだ後、いったん冷蔵庫に入れて冷却する必要がある。冷蔵庫の大きさも限られているため、1回のワークショップで5~6人が限界だという。奈良のフルコト学校では1日に3回のワークショップを行い、参加者は15人だった。
参加者15人のうち、14人が女性だった。福井で開催されたイベントでも、ほとんどが女性とのこと。歴女が多いのか、チョコレート好きの女性が多いのか。「まさかバレンタインのため、という女性はいないでしょうが......」と藤川さん。バレンタインに三角縁神獣鏡チョコレートを贈ると、古代のパワーが覚醒するかも......、まさか。