「踊る阿呆に見る阿呆」で知られる徳島の阿波踊り。約400年の歴史を有する徳島市の阿波踊りは、人出が約130万人、踊り子が約10万人も繰り出す。阿波踊り(na0905さん撮影、Flickrより) 日本の伝統芸能でこれほどダイナミックな音を出す踊りはそうない。そのリズムを聞くと誰でも体を動かしたくなる。 練習音に反応様々「心が躍る」vs「うるさいな」 踊り子たちは5月頃から河川敷や公園、公民館などに集まって練習を始める。市内各所から練習音が聞こえると、「夏が近づいた」と感じる人も多い。7月以降になるとほぼ毎日練習が組まれる。 徳島人の魂の拠りどころといって過言ではないが、練習に没頭するあまり、周囲が迷惑がっているケースもある。 県公式サイトの「ようこそ知事室へ」に次の苦情が寄せられた。 「吉野川大橋下や名田橋下で練習する阿波踊りの連。夜間にドンドンと激しい太鼓と鉦の音。常識の範疇を超えているその音量は、踊りの練習ではなく、もはや楽器の練習です」 「窓を閉めていても、太鼓と鉦の音が響き渡り、十分に休むことができていません。阿波踊りを名乗れば何をしても許されるのですか」 投書主は40代男性で、掲載されたのは2013年6月。これに対して県は次のように回答した。 「徳島市の阿波踊りに関する御意見については、徳島市の阿波踊りを主催する社団法人徳島市観光協会や徳島市にもお伝えしております」 「社団法人徳島市観光協会では、各踊り連に対し、日頃から阿波おどり振興協会や徳島県阿波踊り協会などの団体を通じて、練習に際しては必要以上の音を出さず、夜9時までとすることを依頼しているほか、徳島市においても、市のホームページを通じ、付近の住民の方々に気配りをするなど、マナーを守って練習されるよう呼びかけております」 2014年にも同じような投書があった。かなり怒っている様子で、文体から判断して同じ人物のようだ。 「今日も河川敷での練習による大音量が21時30分まで続きました。大きな鉦と太鼓を力任せに叩いているようで、凄まじい音量です」 「阿波おどりの練習による大音量が22時30分を過ぎても続いているため、警察に対応をお願いしました」 県の回答は前年と同じような内容だった。あくまで市のイベントなので...という姿勢がにじみでている。 ツイッターにも次のような声が投稿されている。 徳島の人間が全員阿波踊り好きとおもったら大違いよな。勘違いして騒音撒き散らしてなにが祭りじゃ!毎日毎日会話も聞こえんぐらいやられたらノイローゼになるっちゅうの。お前の家の前でやってやろかっつーの。— ANR2K2 (@customlife) 2011, 7月 2 また阿波踊り始まったわ チャンカチャンカうるさい 徳島県内の人阿波踊り嫌いな人多いと思う 4日目ぐらいに同じ音聞き過ぎて頭おかしくなる— 飛向(ひなた) (@soulmate1192) 2014, 8月 12 一方で、文句のある人は徳島から出ていけ、という過激派もいる。 「阿波踊りの練習の音うるさい」←死ねクズふざけんじゃねぇぞ二度と徳島から出ていけ— カラーコーン (@r29_shirasagi) 2013, 5月 11 阿波踊りの練習の音がうるさいとか言う県外民は帰ってどうぞ— Moko_Foxtrot@規制 (@r439_Foxtrot) 2013, 5月 11 市の観光課に電話で事情を尋ねた。 有名連(踊り子グループ)は夜9時をメドに練習を終えるそうだが、学生など一部の連が夜遅くまでやっているという。 阿波踊りは鳴り物も重要な要素で、楽器も一緒に練習する。カラオケのように音量を絞るのも難しい。電話に出た担当者も両者の間で対応に苦慮しているようだった。 「練習音がうるさいという苦情は一年を通じていただいております。市職員によるパトロールは行っておりませんが、警察が状況に応じ出動していると聞いています」 市の公式サイトは、踊り子と一般市民の双方に対して次のように呼び掛けている。 「徳島市内では、数多くの阿波おどり連が活動しております。近年は年間を通じて、市内の公園や河川敷などにおいて、夕方になるとぞめきのリズムにのって阿波おどりの練習が行われることがあります。 阿波おどりの練習をする皆さんは、『必要以上の鉦(かね)や太鼓など鳴り物の音を出さない』『夜遅くまでの練習をしない』『路上駐車などをしない』などのマナーを守るように心がけ、周辺住民の皆さんの迷惑とならないよう十分配慮をお願いします。 (市民の皆さんへ) 阿波おどりは、本市にとって大切な伝統芸能です。時には熱のこもった練習が行われますが、市民の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします」 「総踊り」最終日!迫力のフィナーレ!南内町演舞場 徳島阿波おどり2012(YouTubeより)