東日本「サイゼ↓」 関西「サイゼ↑」 ？？？「ゼリヤ」...あなたはどれ？

ファミレスチェーンにもいろいろあるが、コスパの良さで人気が高いのが「サイゼリヤ」だろう。

そのサイゼリヤだが、略称は普通「サイゼ」である。ところがそのイントネーション、つまり「サ」にアクセントを付けて「サイゼ↓」と言うか、「イ」にアクセントで尻上がり気味に「サイゼ↑」と言うか（文字にするとどちらも同じだが）、微妙な地域差がある。さらに、幻の略称として「ゼリヤ」の存在も噂される。

果たしてその実態は。Jタウン研究所では、サイゼリヤの略称について、都道府県別にアンケート調査を行った（総投票数616票、2015年1月5日～3月24日）。

全国で見ると、「サイゼ」のサにアクセント（以下、「サイゼ」サ派）は308票、50％、「サイゼ」のイにアクセント（以下、「サイゼ」イ派）は77票、12.5％、「ゼリヤ」のゼにアクセントが20票、3.2％、略さないが187票、30.4％だった。結果が、上の円グラフだ。結果は、「サイゼ」と略すのが、6割を超え、サにアクセントが多数を占めた。略さないが3割もいるが、これはこれで見過ごせない。

また各県ごとの最多得票を色分けし、日本地図にしてみた。「サイゼ」サ派の勢力が東日本を中心にひろがっている。「サイゼ」イ派は関西に固まっている。略さない派は東海～西日本を中心に目立つ。

東日本に多い「サイゼ」サ派

まず東京都を見てみよう。「サイゼ」サ派が55.4％、「サイゼ」イ派が12.3％、「ゼリヤ」ゼ派が2.7％、略さない派が25.8％で、ほぼ全国平均と同様と言える。東京は全国の縮図を表しているようだ。

関東の中からもう1県、サイゼリヤ発祥の地である千葉県の場合を見てみると、「サイゼ」サ派は63.6％、「サイゼ」イ派が3.6％、略さない派は21.4％だった。地元では、サにアクセントを付けて「サイゼ」と呼ぶのが主流のようだ。東日本の多くの県の代表と言えるかもしれない。

関西中心の「サイゼ」イ派

一方、「サイゼ」のイにアクセントが多かった地域を見てみよう。まず大阪府では、「サイゼ」サ派は34.1％、「サイゼ」イ派は36.4％、「ゼリヤ」ゼ派が6.8％、略さない派が22.7％。サ派も一定数いる一方で、「サイゼ」イ派がトップに立った。

京都府では、「サイゼ」サ派が20％、「サイゼ」イ派は46.7％、略さない派が26.7％で、「サイゼ」イ派の圧勝である。京都や奈良では、イにアクセントを付けて、「サイゼ」と呼ぶのが主流のようだ。ほか兵庫なども、「略さない」が多数を占めたものの、やはりイ派が強い傾向がある。

略さない派も多い

略さない派が多かった県の代表として、愛知県を取り上げてみよう。「サイゼ」サ派が47.4％、略さない派が52. 6％である。わずかではあるが、略さない派が上回った。

他にも、北海道が66. 7％、兵庫が46. 2％、福岡が46. 7％と、略さない派がトップを占めたところは多い。

上述の通り、「略さない」は東海～西日本エリアに比較的集中している。これには、サイゼリヤの出店状況が影響していそうだ。というのもサイゼリヤの店舗は東日本に多く、西日本では未出店県、あるいは店舗数が1桁の県が少なくない。サイゼリヤに馴染みのない地域では、そもそも略して呼ぶ機会自体がない、という可能性は十分考えられる。もっとも、上記の愛知県などは比較的出店数が多いので、別の要因もありそうだが......。

「ゼリヤ」は実在するのか！？

ところで、今回の調査で確かめておきたかったのが、謎の略称「ゼリヤ」の存在だ。以前からネット上などでは、「東日本は『サイゼ』、西日本は『ゼリヤ』」と略す、という説が流布し、「ゼリヤって何！？」「そんなのあるの？！」などと議論を呼んでいた。

今回の結果からは、西日本全体＝ゼリヤ説はデマだと断言できる。だが「ゼリヤ」が実在しない、とも言い切れない。地域で見ると、福島・静岡・大阪・岡山などの府県で、若干ではあるが「ゼリヤ」回答が強い傾向があった。

もっともその分布には明確な地域性は確認できず、その割合もごく少数だ。あるいは都道府県より細かいメッシュで、「ゼリヤ」と呼ぶ地域がある可能性も否定できないが......これについては引き続き、読者の皆さんからの情報をお待ちしたい。