北九州の成人式が超絶ド派手になった意外な歴史
全国各地でバラエティに富む成人式が開催されているが、ここ数年異彩を放っているのが福岡県北九州市だ。2014年2月3日に放送された「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)は、新成人の衣装がド派手な成人式をツッコんでいた。
番組が昨年の成人式の写真を入手してみると、そこには超ド派手な姿が! 男性グループはギンギラギンの生地に色を揃えた袴(はかま)姿、女も負けじと花魁(おいらん)にロックテイストをミックスした格好で決めている。
北九州市の成人式は、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。その歴史は、意外と新しいという。
花魁風衣装は200万円なり
これらの衣装を手かげているのは貸衣装の「みやび」だ。店の和装デザイナーによると、約10年前、店に現れた男性2人組が「僕たち、『金さん銀さん』で成人式に行きたいんですけど」とオーダーしたのがキッカケだった。
彼らは店が用意した金と銀の袴衣装を着て成人式に参加した。するとそれを見た1つ下の後輩たちが「先輩のを見たんですけどすごく良かった」といって、どんどん店を訪ねてくるようになった。
派手な衣装を望む北九州の若者はみやびを訪れ、その数は累計で1万人以上に達する。こうした現象について、先ほどの和装デザイナーは次のように分析する。
「北九州の成人式は、『成人式』じゃなくて『成人祭』といって、お祭りなんですよね。普段はマジメな子たちも、お祭りだからそのときだけ弾けようみたいな、そういうのがあります」
そして成人式当日の朝3時。みやびのスタッフ70人が総出で、600人以上の着つけとヘアメイクを行う。ある男性は気志團みたいなヤンキーヘアーにして、毛の色をカラフルに染めている。同じような人がわんさか集まっているのだ。衣装を身に着けた新成人は、中学校単位のチームで記念撮影を行った。
番組スタッフは、成人式会場で異彩を放っていた人に衣装代を尋ねた。3人組男性は合計120万円、ある女性は1人分で200万円もしたと告白。
普段はマジメそうなスーツ姿の男たちもいた。彼らにもマイクが向けられたが、意図的に発せられたと思われるバイクの爆音にかき消された。
将来の夢は「大統領」。日本じゃ無理だけど
無事成人式を終え騒ぐ彼らは、将来の夢をこう語った。
「ビッグになりまーす!」「金持ち」「大統領っすね!」
MCのマツコ・デラックスは、元気がなによりと語りつつ、次のようにエールを送った。
「ぜひ大統領になって欲しい。どうするんだろ~。日本には大統領無いんでね、ぜひとっとと国籍変えていただいて」