医療機関のキャッシュレス利用56%に 希望は78%、若年層では「病院選び」にも影響
医療機関の会計でもキャッシュレス化が進んでいる。決済サービスを手掛けるエム・ピー・ソリューションが関東圏の20~60代の男女500人を対象に実施した調査によると、直近で病院やクリニックを受診した際にキャッシュレス決済を利用した人は56.2%となり、現金払いの43.0%を上回った。前年調査の48.2%からは8.0ポイント増えた。

キャッシュレス決済の内訳では、クレジットカードが40.8%と最も多く、QRコード決済が11.0%で続いた。医療機関でも実際の支払い手段が現金からキャッシュレスへ移りつつある状況がうかがえる。
一方、実際の利用率と患者が希望する支払い方法には開きがある。
「すべての決済方法に対応している」と仮定して最も使いたい決済方法を尋ねたところ、キャッシュレスを選んだ人は78.0%だった。前年調査の75.8%から2.2ポイント増えた。世代別では30代が87.0%、60代が86.0%と高く、20代も77.0%、50代は73.0%。最も低かった40代でも67.0%がキャッシュレスを希望した。
希望するキャッシュレス手段ではクレジットカードが45.4%で最多となり、QRコード決済が27.0%で続いた。交通系ICカードは3.0%、その他の電子マネーは2.6%だった。現金を使っている人の中にもキャッシュレスを希望する層がいる。直近の受診時に現金で支払った215人のうち、53.5%は本来最も使いたい決済方法としてキャッシュレスを挙げた。実際の支払い方法と希望との間にはなお差が残っている。
決済方法が受診先の選択に影響するケースもみられた。キャッシュレスを最も使いたいと答えた390人のうち、医療機関がキャッシュレスに対応していないことを理由に「受診を諦めた」「受診先を変えた」経験がある人は21.4%だった。前年の27.6%からは低下したものの、5人に1人を超える。
特に若い世代で比率が高く、20代は34.6%、30代は34.5%だった。これに対し50代は8.1%、60代は4.7%で、年代による違いが大きかった。現金のみの医療機関を利用した際の不便も残る。受診後の会計で「現金の持ち合わせがなかった」「足りなかった」「ぎりぎりだった」経験がある人は28.0%だった。前年の39.4%から11.4ポイント減少したものの、約4人に1人が経験している。
現金不足を経験した140人にその際の対応を尋ねると、67.1%が「ATMへ向かった」と回答した。「自宅へ取りに帰った」も23.6%に上った。このほか「後日病院に行き再精算した」が17.9%、「家族・友人に持ってきてもらった」が11.4%だった。
支払い方法そのものを医療機関選びの条件と考える人も少なくない。キャッシュレス対応の有無が病院選びに「大きく影響する」とした人は13.8%、「やや影響する」は35.8%で、合計49.6%となった。
世代別で「大きく影響する」「やや影響する」を合わせると、30代が66.0%と最も高く、20代も55.0%だった。一方、50代は40.0%、60代は36.0%にとどまった。「大きく影響する」だけを見ると20代は21.0%、30代は22.0%で、40代以上の7.0~11.0%を上回った。
過去に現金不足を経験したかどうかでも差が表れた。現金不足を経験した140人では82.2%が支払い方法について「病院選びに影響する」と回答したのに対し、経験がない360人では36.9%だった。両者には45.3ポイントの開きがあった。
調査は2026年7月1~8日にインターネットで実施した。対象は過去半年以内に病院やクリニックを受診した経験がある関東圏在住の20~60代男女。回答者は500人だった。