「誰かうちの郵便受けに落書きした!?ってくらい濃い虹ができてた」 そんなポストがX上に投稿され、話題になっている。 山本海彦(@asarijunitirou)さんの投稿より Xユーザーの山本海彦(@asarijunitirou)さんが2026年7月24日に投稿したのは、銀色の郵便受けに浮かび上がった鮮やかな虹色の光。 赤から紫まで7色がくっきりした帯を作っていて、思わず二度見してしまうほど。まるで誰かが絵の具で塗ったかのようだ。 一体どうして、こんなものが郵便受けに――。 投稿者である山本さんに詳しい話を聞いた。 落書きされた、と思いきや 山本さんが虹を発見したのは、ある日の朝。郵便物を確認しに行った時だった。 さぞかし晴れていたのだろうと思いきや、天気はかすかに曇っていたという。 「肉眼で見ても画像の通りの色合いで、7年今のアパートに住んでいて初めてのことだったので、てっきり落書きでもされたのかと思いました」(山本海彦さん) あまりに珍しい光景に興奮し、すぐ消えてしまうのではと写真に残して満足してしまったそう。後になって「手をかざしたり何かに投影すればよかった」と、少しもったいなく感じているという。 山本海彦(@asarijunitirou)さんの投稿より、再掲 この投稿には、2万件を超えるいいねのほか、 「なにかよくわからないけど、とんでもない奇跡の黄金比になってそう」 「郵便受けオーロラ」 「すごい七色! 何かの吉兆かもしれませんね」 といった声が寄せられている。 この不思議な現象について、元大阪市立科学館の学芸員で、甲南大学非常勤講師の長谷川能三さんに詳しい話を聞いた。 専門家の見立てから推理する「真犯人」 長谷川さんによると、日常の風景に虹色の光が見えることは時々ある。その多くは角が面取りされたガラスがプリズムの役目を果たしてできているという。 光は境界面で屈折し、波長ごとにわずかに進む角度が異なる。しかし一般的な板ガラスは表裏の面が平行なため、ガラスから出るときに同じ角度に戻ってしまい、色が分かれて見えない。一方、ガラスの角を斜めに削った面取り部分では、斜めの面と元の面が小さなくさび形をつくり、プリズムのように働く。そのため、白色光が波長ごとに異なる方向へ進み、虹色のスペクトルとして見えるのだそう。 さらに、細い面取り部分では通り抜ける光の幅も限られる。その結果、異なる位置を通った光の色が重なりにくくなり、写真のように鮮明なスペクトルとして観察されことがあるのだという。天気が少し曇っていたことは関係ないとのこと。 山本海彦(@asarijunitirou)さんの投稿より また、長谷川さんは別の可能性も指摘する。 写真の状況からすると、自転車のスポークなどに付いている反射板かもしれないという。反射板はある程度斜めからの光を受けると、一部の光が抜けて虹色に分光するのだそう。 この見立てを受けて、山本さんが改めて現場を確認したところ――。 「現場には自転車が2~3台駐輪しており、スポークに反射板が取り付けられておりました。位置的に郵便受けの正面にあるものが可能性が高そうです!」(山本さん) どうやら"真犯人"は、すぐそばに停まっていた自転車の可能性が高そうだ。 何気ない郵便受けの片隅に、光と角度が織りなす小さな奇跡。もし足元で虹を見つけたら、あなたも"真犯人"を探してみてはいかが。(ライター:Met)