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知らない街で、知らない店の、知らない日替わりランチを 上級者の〝旅の醍醐味〟に6万人憧憬

松葉 純一

松葉 純一

2025.10.30 20:30
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読者の皆さんにとって、〝旅の醍醐味〟とはどんなものだろう。

他所では見られない絶景、土地の記憶が刻まれた史跡、特産品をふんだんに使った郷土料理......。それぞれいろいろあるだろうが、2025年10月17日にXに投稿されたこんな呟きが、大きな共感を集めている。

「知らない町で知らない喫茶店を見つけ、中身を知らない日替ランチを注文してどきどきしながら待っている。これですよ、これが旅なんですよ」
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より

何気ない喫茶店内の写真と共に投稿されたノムラ(@nomu1010)さんのポストには、6万件以上の「いいね」(10月28日時点)のほか、こんな声が寄せられている。

「いいな、これしたい」
「これだよこれ」
「最高じゃないか」
「わかるううう  そうゆうのめっちゃ好き!」
「分かりみが深すぎる」
「こう言う旅してみたいかも」
「いいな...すごくいい... 旅を楽しんでいる」
「最近この感覚がわかるようになった気がする」

普段、地元の人々が集っているのだろう小規模の店に飛び込み、何が出てくるかわからないメニューを頼む。そのスリリングな時間。

ノムラさんにとっての〝旅の醍醐味〟に、共感するユーザーは驚くほど多い。

一方で、まだそのワクワク感を体験したことがない人もいるようだ。

国道沿いに軒を並べて競い合う有名チェーン店とは一味違う、個人商店でのひと時はどんなものなのか。

投稿者・ノムラさんの話を聞いてみよう。

「この町に住みたいかも」

「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より

ノムラさんが冒頭のポストを投稿したのは、岡山県のK市を訪ねた時のことだった。

「K駅を降りたのは、10月17日の昼です。岡山市内に午後4時に行く予定でいたのですが、どうせ普通列車だし、お腹がすいてきたので、Kという町を1時間ほどふらついて、何か食べようと思い、電車を降りました」
「ちなみにKの町のことは何一つ知りませんでした。予備知識ゼロで自分で歩き回って何かを見つけるのが、私の旅の醍醐味です」(「ノムラ」さん)

そこで知らない喫茶店に入り、日替ランチを注文。出てきたのは「ひれかつ定食」。ちなみに600円。

「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ひれかつランチはもちろん味もボリュームもすばらしかったです。ご飯は少なめでお願いしたのでおかずだけでご飯が十分食べられたのですが、ふりかけの大袋3種類を持って来て『ふりかけ放題です』と言われたのに温かみを感じながらも、少し笑ってしまいました」(「ノムラ」さん)

この体験を通して、ノムラさんはふと「この町に住みたいかも」と思ってしまったそう。

喫茶店に流れる、空気が感じられるような気がする。

「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より
「ノムラ」さん(@nomu1010)の投稿より

ところで、ノムラさんがこの〝予備知識ゼロ〟で楽しむ旅のスタイルを始めたきっかけは何だったのか。尋ねたら、こんなエピソードを話してくれた。

「15年前、奥能登の珠洲に宿を取らずに出かけた時のこと。
喫茶店で会ったおじさんと話していると、知人が民宿やってるからそこに泊まったら? と電話して予約して送ってくれました」
「お金がないので素泊まりに。宿のお風呂は小さいから、と近くの銭湯まで車で送り迎えしてくれました」(「ノムラ」さん)

おまけに朝ごはんまでご馳走になったので、支払おうとすると、「お金はいらない、また珠洲に来たら来てね」と言われたという。

旅とは出会いである。それまでの旅で体験した出会いによって、人の旅のスタイルも変わっていくのだろう。

あなたは今までの旅でどんな出会いを果たし、今、どんなスタイルで旅をしている?

振り返ってみると、自分でも自覚していなかった「自分にとっての旅の醍醐味」に気付くかもしれない。

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