社長を絶叫マシンに乗せてみた...富士急の動画が攻めてると話題に なぜトップが出演?広報に狙いを聞いた
2020年6月19日から通常営業を再開する富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)。
新型コロナウイルスによる臨時休園後、5月23日から山梨県民限定で営業を再開していたが、今後は全国47都道府県からの来園が可能になる。
それによる来園者の増加を見越してか、同園の公式ツイッターには、こんな動画が投稿された。
全長2045メートルのジェットコースター「FUJIYAMA」に乗っているのは、富士急ハイランド社長の岩田大昌さんと、親会社である富士急行社長の堀内光一郎さん。
ゴウゴウと凄まじい風の音が聞こえる中、2人はマスクを装着し、声を一切出さない。どうやら、感染対策のための新しいジェットコースターの乗り方を、まさしく体を張って伝えているようだ。
風圧でマスクがずれてしまうのか、時折手で押さえる仕草を見せる堀内さん。冷静でいるように見えるが、投稿には「#堀内社長は高所恐怖症」というハッシュタグが付けられている。
会社のトップ2人が体を張って見せた「お手本」に、ツイッターでは、
「表情を変えず、ずれたマスクを直す...gentlemanだ...」
「シュールすぎ笑 さすが社長!」
「実はこれ社長はガチで恐怖を感じたから声が出なくなってるんじゃないか」
「この動画CMにしたらどうかな?」
といった声が寄せられている。
広報「お手本を示すのに一番ふさわしい」
いったいなぜ、社長のジェットコースター動画が公開される事態となったのか。Jタウンネットは18日、富士急ハイランドの広報担当に取材した。
東日本遊園地協会、西日本遊園地協会、賛同企業が発表した「遊園地·テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」には、ジェットコースター等ではマスクを着用し、大声の発生は控えるよう記載されている。
今回の動画を投稿したのは、それに対して「難しい」「できない」といった一般の声が相次いだため。投稿日の17日、前車両に固定カメラとスタッフ、後車両に社長2人を乗せて撮影した。
社長の乗車は広報から提案したとのこと。2人を選んだ理由を聞いてみると、
「お手本を示すのに一番ふさわしいのは誰かということで考えたところ、やはり社長にお試しでご乗車いただくのが一番ご納得いただけるのではないかと思いました」
と担当者。高所恐怖症の堀内さんにおいては、乗車拒否こそなかったというが...。頼む方も引き受けた方も、なかなかの勇者である。
富士急ハイランドでは4月7日~5月22日まで休園、23日から来場者を絞って段階的に開園してきた。実際にお客さんたちは無言で乗っているのだろうか、担当者に聞いてみると、
「マスクは必ず着用をお願いしていますが、なかなか難しいところがあります...」
とのことだ。
富士急ハイランド公式YouTubeチャンネルではフルバージョンがアップされており、無言ジェットコースターの一部始終を見ることができる。今後ジェットコースターに乗る予定がある人はぜひ参考にしてほしい。
ツイッターに投稿した動画は18日昼時点で6万件以上リツイートされ、担当者も「ここまで反響があると思いませんでした」と驚いている様子だった。
ちなみに岩田さんが装着している富士急ハイランドのロゴ入りマスク...全くズレないので気になっている人もいるようだが、現在はまだ開発段階だという。