竹村健一「アデランス」CMの巨大壁画 今もニューヨークの街に残っていた
なぜ消されていないのか
この話を初めて聞いたのは筆者が高校生のとき。大のCMオタクで音楽仲間だった先輩から聞いたのだが、その時はあまり興味を示さなかった。
竹村さんの訃報を聞いて気になったので、改めてネット上を調べた。すると、予想外に2010年代に突入して以降も目撃情報が複数ある。なんとかして探せないものか。まずはGoogleストリートビューを見たが、まさかの木が邪魔になって見えない。
航空写真の3Dモードに切り替えても辛うじて人の顔らしきものが見える程度。写真として厳しい上に撮影日時もわからない。
場所はニューヨークのモット・ストリートとプリンス・ストリートが交わる交差点のそば。「ノリータ」と呼ばれる地域だ。
場所もわかっているので、あとは行くしかないのか――人生初のパスポート取得に向けて覚悟を決めかかったとき、Jタウンネット編集部のN記者がニューヨークに住む友人に連絡。なんと現地で撮影してもらい写真を入手できた。
CMと比べると木が邪魔になってしまっているが、しっかり壁画が確認できる。
N記者によると19年7月13日(日本時間)の朝に写真が届いたとのこと。このために撮影しに行っていただいたとのことで、2019年に現存しているのが確認できた。
壁画が残されている理由については、撤去費用が莫大で消すことができない説や、ビルのオーナーが気に入ってそのままにしているなど諸説あるようだ。
本人はいなくなってしまったが、まだしばらくニューヨークの地で竹村さんに会えるようだ。