20代女子は西成で生活できる? 住んでみて分かった「本当の治安」
<連載>20代女子、西成に住んでみた
第二回 文・イカ子 写真・macyatacye
みなさま、ごきげんイカが?大阪・西成在住の26歳、イカ子です。現在は自身のウェブメディア、YouTubeなどで女性目線での西成情報を紹介しています。二回目の連載となる今回は、実際に住んでみて分かった西成の治安などをご紹介していきます。
「あいりん地区」のいま
まず、一般に誤解されやすいのですが、西成=あいりん地区ではありません。
大阪市の24区のひとつに「西成区」があり、そのうちの「釜ヶ崎」と俗に呼ばれるエリアが、有名な「あいりん地区」なのです。南側の「岸里」や「玉出」には味わい深い普通の下町があり、東側の「天神ノ森」には高級住宅街もあります。
では、私も頻繁に出入りしているあいりん地区の、実際の治安はどうなのでしょうか。確かに街に入ると、かすかにアンモニア臭が漂います。周囲を見渡すと、路上で酒を飲んでいる人たちの姿も。このように、どこか混沌とした雰囲気はあります。街を歩いている人は、ほとんどが男性で、女性はほとんどいません。
初めてこの土地を訪れて来た方がこの光景を見ると、驚くことは確かでしょう。
ですが、地元住民や事業をやられている人に聞くと、今のあいりん地区は高齢化によって、以前のような勢いや危なっかしさが、少しずつ消えつつあるようです。
実際に女子が西成で生活するにはどうなのか
私自身、あいりん地区から徒歩圏内の場所に住んでいて、頻繁にあいりん地区に出入りをしていますが、危険な目など遭ったことはありません(個人的には、難波やアメリカ村などの繁華街の裏通りの方が攻撃的な人に絡まれることが多く、歩くにはよっぽど怖い印象です)。
ですが、「今のあいりん地区はもうすっかり安全」と言い切れるわけでもなさそう。
昔と比べれば、格段に女性でも歩きやすくなったとはいえ、未だに様々な問題を抱えた人たちが集まって来る場所ではあるし、薬物取引などが行われていることもまた事実です。
「そういう場所」ということを知った上で、混沌とした雰囲気を楽しめる人であれば、近辺であれば若い女性でも住むことができるし、普通に飲みにも行けるといった感じです。
変化しつつある西成を見届けながら
最近では、YouTuberなどの影響で若年層を中心に訪れる人も増え、安宿を求めて来る訪日外国人も増えていて、「新しい西成の街」が形成されているとも言われます。昔の西成しか知らない人は、変化しつつある今の西成に来てみると、あまりの変わりように拍子抜けするケースがほとんどかも。
私自身様々な手段で発信していますが、「偏見なんて消えろ」とか「街のイメージを変えたい」など、そこまで影響を与えられると思っていない。私のような外部から来た人間は、いつまでも地元の方と同じ目線に立てないのは当たり前ですから。
新しく変化している街の流れを見守りつつ、まだ残っている古き良き西成の雰囲気を楽しんでいる私自身の様子を伝えることが一番良き手段だと思うので、今後も私なりに発信を続けていきたいです。