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沖縄のコンビニでおにぎりを買うと「温めますか?」 文化誕生の謎を調べると...

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2016.04.13 06:00
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コンビニで温めるものと言えば弁当、総菜、おにぎりだ。おにぎりに対して違和感を持たなかったのは沖縄県在住で、持った人はそれ以外の地域の人だろう。日本の南端、沖縄県のコンビニでおにぎりを買うと、ほぼ必ず温めるかどうかを聞かれるのだ。沖縄出身者が県外で聞かれずに戸惑うことも、その逆に聞かれた観光客が驚くことはもはや沖縄あるあると化してきている。しかし、これはどういう風に根付いた風習なのだろうか?沖縄ファミリーマートの協力の元、その発祥についての謎に迫った。

発祥の謎に迫った(Ronaldo Ferreiraさん撮影。flickrより)
Smoked Salmon Onigiri

特有の気候や文化が背景に?

2016年4月現在、全ての都道府県に店舗を持つコンビニチェーンはファミリーマートとローソンの2社のみだ。

今回は、その2社の中でも沖縄県での展開が早かった沖縄ファミリーマートに尋ねた。

広報課の担当者の方によると、おにぎりを温めるか聞き始めたのは

「(ファミリーマートにおいては)最初にオープンした1987年当初からと思われます」

と、ファミリーマートが沖縄で展開を開始した当初からのことだという。

その背景には、沖縄県に根付いている、食事に対する価値観があった。

「正確ではありませんが、おむすびを冷やして売る所はコンビニくらいであり、冷たいから温めた方がホカホカで美味しいと思ったお客さんが始まりではないかと考えられます。
その客さんのニーズがあり、お店側でも『温めますか?』と確認するようになったのではないかと思われます」

沖縄には、出来立てで温かいもの(アチコーコー)こそが美味しい、という考え方があり、冷やして売られるコンビニのおにぎりに対しても適用されたのではないか、とのことだ。

また、

「昔の話ですが、亜熱帯の沖縄は、冷蔵庫や冷凍食品の流通が発達してないため、何でも火を通したり、油で揚げたりする食文化が浸透していたのでは?というお話も聞いたことがあります」

と、沖縄の気温の高さが食文化に与える影響についても言及していた。

そうした「アチコーコー」を好むからか、フライドチキンなどのフライフードやおでん、中華まんの売り上げも、沖縄県は全国トップクラスなのだという。

また、沖縄では「ポーク玉子おむすび」という特色あるおにぎりが昔から親しまれている。卵焼きと焼かれたスパムとをご飯で挟み、海苔を巻いた「お米版ハンバーガー」というか、一時期流行した「おにぎらず」の元祖ともいうような食べ物だ(余談だが、沖縄からの移住者が多いハワイにも「スパムむすび」という同様の料理がある。そちらはさらに衣をつけてフライすることもある)。

沖縄ファミリーマートでは、この「ポーク玉子おむすび」や「チャーハンおむすび」、「チキンライスおむすび」など、具が多い、または油も入っているメニューは特に温めることが多いという。

まとめると、高温多湿な沖縄県の気候では、保存食以外の食品は長時間保持できるものではなかった。そのため、安全性の確保も兼ね、「料理は出来立て(アチコーコー)を食べる」という食文化が生まれた。

そして、その文化の中で生まれ育ったお客さんからの提案でおにぎりの温めが始まり、いつしか沖縄ファミリーマート全店に根付いていった、ということだ。

「北にもある」という気になる追加情報が...

こうして、おにぎりを温める文化の発祥を突き止めることが出来た、と思いきや、北海道出身の編集部員が気になる一言を放った。

「北海道のコンビニでも同じような質問されますよ」

これは引き続き調査が必要だろう......。

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