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金属なのに、自由に形を変えられるほど柔らかい...不思議なお皿「すずがみ」が凄い!

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.06.22 16:38
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「すずがみ」をご存じだろうか。錫100パーセントの薄い板で、柔らかく、自由に折り曲げて形を変えて、皿として使用できる。 正方形の角を丸くカーブさせて、料理やお菓子を置く。 前菜をのせてもいいし、洋菓子や和菓子をのせてもいい。フォークやナイフも置ける。何をのせても自由。その日の気分で、形を自由に変えて楽しめる。

錫製だが、紙のように曲げられる(画像提供:シマタニ昇龍工房)
錫製だが、紙のように曲げられる(画像提供:シマタニ昇龍工房)

まるで紙のように柔らかいから、「すずがみ」と名付けられた。形を変えても、丸い棒を使って延ばせば、元通りのまっすぐな板に戻る。

丸い棒を転がすと、元通りのまっすぐな板に(画像提供:シマタニ昇龍工房)
丸い棒を転がすと、元通りのまっすぐな板に(画像提供:シマタニ昇龍工房)

錫は柔らかい金属で、通常は銅など他の金属を混ぜ、硬くしてから加工するのが一般的という。100パーセント錫の状態で使用することは極めて稀だ。 しかし錫100パーセントでも、叩くと強くなる。叩いてモノを作り上げる、鍛金という伝統技術があったから、この「すずがみ」が生まれた。

「おりん」製作中の島谷好徳さん(画像提供:シマタニ昇龍工房)
「おりん」製作中の島谷好徳さん(画像提供:シマタニ昇龍工房)

開発したのは、富山県高岡市の島谷好徳さん。寺院で使われる仏具「おりん」を代々製作してきたシマタニ昇龍工房の四代目である。「おりん」とは、お寺でお坊さんがお経を唱えるときにチーンと叩く、大きなお椀のようなもの。東京の大学を卒業して家業を継ぐため高岡に戻り、「おりん」製作の修業をしていた島谷さんは、「おりん」を作る際に駆使する技術、鍛金を応用して、何か新しいものができないかを考えていたという。鍛金は叩く作業だけで、1枚の金属板の形を絞り上げ、丸みを整え、音色の調節まで行うという高度な技術だ。

金槌で叩くながら「すずがみ」を作る(画像提供:シマタニ昇龍工房)
金槌で叩くながら「すずがみ」を作る(画像提供:シマタニ昇龍工房)

高岡市は江戸時代から続く伝統工芸の盛んな土地で、現在も若手の作家がしのぎを削っている。4年ほど前、所属する伝統産業青年会が催すギフトショーへの出品作の案を練っていた時、ひらめいたのが、この「すずがみ」のアイデアだった。

錫100パーセントの板も叩くことで、強度が増す。形を自由に変えても、丸い棒で延ばせば元に戻り、また食器として使える。何度も試作を重ねて、可能性を探っていった。約2年の試行錯誤の結果、「すずがみ」が生まれた。

氷の粒のような槌目「あられ」(画像提供:シマタニ昇龍工房)
氷の粒のような槌目「あられ」(画像提供:シマタニ昇龍工房)

金槌の槌目を変えると、四季を彩る日本の自然のような風合いも感じられる。「かざはな」「さみだれ」「あられ」と3種類の槌目が選べる。大きさも4種類が用意されている。11センチ×11センチ、13センチ×13センチは取り皿やデザート用としてちょうど良さそうだ。18センチ×18センチ、24センチ×24センチの大きな皿は前菜やサラダなどに良いかもしれない。「syouryu」というブランドで販売されている。

楽しみ方も自由自在だ(画像提供:シマタニ昇龍工房)
楽しみ方も自由自在だ(画像提供:シマタニ昇龍工房)

現在、各種通販サイトのほか、下記の店舗などでも取り扱われている。

三越銀座店 東京都中央区銀座4-6-16
大和香林坊店 石川県金沢市香林坊1-1-1
大和富山店 富山県富山市総曲輪3-8-6
大寺幸八郎商店 富山県高岡市金屋町6-9

「すずがみ」にチーズケーキをのせてみた(写真は編集部撮影)
「すずがみ」にチーズケーキをのせてみた(写真は編集部撮影)
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