存在しなかった(かもしれない)甲府城天守閣を「再建」したい地元の言い分

2014年6月10日 11:15

日本人の天守閣に対する想いは格別なものがある。明治時代に解体された(会津)若松城や、戦災で失われた名古屋城や広島城も地元住民の願いによって戦後再建されている。山梨県甲府市にある甲府城址(現舞鶴城公園)も立派な天守台を有し、市街地を見渡せる展望台として市民に愛されている。さぞ立派な天守閣が建っていたのだろうと想像されるが、天守閣についての資料は何も残っておらず、「そもそも天守閣はなかったのでは?」という声もある。

一方、同市は毎月200人ペースで人口が減少しており、中心部の商店街はシャッターを閉めている店舗が多数見られる。そこで商工会議所や商店街連盟などから「天守閣を建てて町おこしを!」という声が高まっているのだが、行政当局は難色を示している。2014年6月8日に放送された「噂の東京マガジン」(TBS系)は、天守閣整備に揺れる甲府市の実情に迫った。

舞鶴城公園から見た甲府市街地(Mizue Murakamiさん撮影、Flickrより)
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推進派の中心は地元商工会。その意見は...

地元の商店街連盟会長は天守閣整備の理由を次のように語る。

「あれだけ立派なお城があって首がないわけにはいかないんですよ。全部完成してもらいたい」

また商工会議所の部長は「地域の活性化という意味ではシンボル的な甲府城を復元したいという気持ちを持っている」とテレビカメラの前で熱弁をふるった。

これに対して地元の考古学協会は次の理由から建てるべきではないと反対している。

  • 天守閣に関するデータを探したけど見つからなかった。設計図や絵図が一切残っていない。資料がないものは建てるべきではない。
  • 史実を無視した天守閣を建ててしまった場合、いい加減なものを子孫に残すことになる。
  • まずは国史跡を目指すべきだが、現在の状況で天守閣を建てるとその目がなくなる。

学術的な立場からの意見に対して、商工会連盟の事務局長はズバリ本音をもらした。

「歴史的にあったとかないとか、どうでもいいじゃないですか。(天守閣があれば)楽しいじゃないですか」

この発言に対して、ネット上では次のような反応が挙がった。

「あぁあ、言っちゃったwwww」
「事務局長wwwwwwwww」
「身も蓋もない台詞w」
「開き直ったwww」
「どっちでもいい! 本音出しすぎだろ」
「ぶっちゃけたw」
「商店会の連中ときたらとんでもない奴らだな」
「前に客寄せのためにサンリオに許可取らずキティちゃんの石像作って怒られた商工会だからな・・・」

コメントにあったキティちゃんとは、2013年1月に起こった「キティちゃん神社石像事件」のことを指している。市中心部の商店街に設置されたサンリオの人気キャラクター「ハローキティ」の石像が、使用許可を得ていないとして、お披露目から2日後に撤去された出来事だ。その後使用許諾契約が結ばれて石像は再設置されたが、キティちゃんパワーだけでは不足だったようだ。

「ほぼ同様なものは可能」という声もあるが

城郭研究者の中には、石垣の規模や城主の官位、年代などを考慮すれば、どのような規模・形の天守閣だったかおのずと決まるという意見も出ている。

しかし、山梨県教育長の課長は、次のような理由から否定的だ。

「まがいもの的な物を造るのは、後世の甲府市民にとってもあまり名誉のあることではない」
「非常に蓋然性の高い推定案をいただいていると思います。ただ――研究成果に基づいていてもやはり推定案にすぎない」

この課長はジョン・レノンを思わせる風貌で、理路整然として分かりやすい話し方だ。ネット上でも課長を支持する声が多かった。

「課長の説得力ハンパねえw」
「課長冷静な考えで非常によろしい」
「今回のお役所の人まともすぎw」
「教育庁の人凄い優秀そうだな」
「俺がこの課長と議論になったら3秒で言い負ける自信がある(´・ω・`)」

とはいえ、地元再建のシンボルとして天守閣を作りたい!という人々の思いは切実であり、理屈だけで断じられるものでもない。

「天守閣など甲府城復元・整備推進会議」の署名活動は9月30日まで続く。目標数は10万人とまだまだ道のりは長そう。天守閣整備に協力したい人はウェブサイトに署名に関する詳細な説明があるので、チェックしてはいかがだろう。

天守閣など甲府城復元・整備推進会議のウェブサイト
天守閣など甲府城復元・整備推進会議のウェブサイト
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