AIでがん診断

2019年2月20日 11:33
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医療は日進月歩,様々な技術を取り入れ進化し続けています。さらに,最近では医療の世界にAIなどのデジタル技術がどんどん活用されるなど,さらに進化が加速していくことが予想されています。
このような中,地方発,広島からがん診断の世界へAIを導入するチャレンジが始まりました。

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【ひろしま医療AIプロジェクト】

広島出身のAIベンチャーが広島県内の医療機関と共同で、診断支援の人工知能の開発を進めています。まず、転移がん診断支援AIを県立広島病院、胃がん診断支援AIを広島大学病院が主に取り組み、それぞれのAIプラットフォームを株式会社アドダイスが開発・提供するという役割でプロジェクトがスタートしています。

技術の背景:微小物センシングの応用開発。目視から自動検査へ

医療AIのための技術プラットフォームを提供する株式会社アドダイスは現場作業を支援する領域での実用AIのパイオニア企業としてAIサプライチェーンの構築を進めています。異物を検知・分類する自動検品技術は、高精細な対応と高い信頼性が求められる半導体工場でも採用が進んでおり、各種製造工程での検査の品質向上に大きく貢献しています。また、施設管理分野でも施設・装置が壊れる前に兆しの段階であらかじめ警告するAIにより予知保全を実現しています。

IoT×AIは広島で始まった

同社がIoT×AIの融合分野で最初に成果をあげたのは養蜂業の分野でした。広島の養蜂家『はつはな果蜂園』と共同でリリースした広島発かつ世界初の養蜂業向けIoT×AIサービス Bee Sensing(ビー・センシング)のシステム開発と運用を同社が担当しました。自宅に居ながらスマホアプリで巣箱の温度や湿度を確認し、蜜蜂の健康状態が把握し異常があればAIが教えてくれる仕組みです。養蜂家の巣箱の見回り作業負担を軽減するばかりでなく、巣箱の点検等による蜜蜂の警戒ストレスも減らします。生産履歴をIoT×AIで消費者に見えるようにするAIサプライチェーンにより安心・安全を保証し、ワインのように四季や花で違う味が楽しめる蜂蜜の魅力を食卓にお届けしています。

リンク:事業構想記事「ひろしまIT融合フォーラムの活動について」

同社代表の伊東氏は次のように語ります。
「この試みは養蜂業のみならず、多くの産業分野にヒントを与えたようで、当社には実に様々なお問い合わせと応用技術開発のご依頼が来るようになりました。そのひとつが上記の自動検品技術であり、微小な傷や断線など、目視ではなかなか判別できない不良品のチェックに有効との評価をいただくまでになりました。」

工場で培った不良分類技術を医療に応用

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(株式会社アドダイス 代表の伊東氏)

伊東氏「今回、ここでご紹介したいのは、この微小な異物検知の医療分野での応用技術についてです。通常の目視検査での限界を超えて極小の異物を瞬間的に捉え、それを拡大できるとすれば、例えば癌や脳梗塞などの初期治療等に大きく貢献できることになります。
当社の『HORUS AI』は、パソコンさえあれば導入が可能です。AIやプログラムの専門知識は一切必要ありません。パッケージ化されておりプログラムレスで使えるので、簡単に現場に導入できるのです。可視光カメラ、レーザー、X線などのセンサーの種類に関わらず、新規導入や既存の設備への追加導入が容易なのです。」

従来の画像検査に使われているAIでは、検査員の「長年のカンと経験」を如何にシステム化するかが課題であり、また幾多の困難がつきまとっていました。しかし,同社の『HORUS AI』は深層学習が可能なため、画像の詳細な分析を瞬時にでき、また、検知対象物をより正確に捉えることができます。また、独自に設定、あるいは追加した判断基準により、より精度の高い検査を行うことが可能となったのです。

医療現場の課題とAIの応用

伊東氏「医療の応用へのきっかけはアドダイスの代表からAIサプライチェーンで工場が変わり始めているという話を聞きつけた同級生の医師でした。病院で勉強会を開催しAI理解した上で困りごとが解決できるかディスカッションを重ねるという地道な努力を続けました。そこで分かってきたのが、医療現場はマンパワー頼みで消耗していること・ルーチンワークに忙殺されがちで一人一人の患者や家族に向き合う時間が奪われていること等々、様々な問題を目の当たりにすることになりました。」

伊東氏「それと同時に、産業界で培われたAIは医療に応用が可能であることも分かってきました。病理医師は広島県においても人数不足が慢性化しています。孤独に病気と向き合ってきた病理医師にとってAIという相棒を手にすることで効率的・効果的な医療に取り組むことができます。現時点では医師団の犠牲的な努力でまだ現場が回っていますが、手遅れになる前にAI化を進める必要があります。遠隔地からの画像解析による診断が確立できれば、これらの地域に居住する高齢者医療の充実が期待できます。」


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ひろしま医療AIコンソーシアムの結成

そこで,産業界で培ったオリジナルAI技術力と医療イノベーションを起こしたいという医師の熱意がかみあって、広島発で医療AIの開発に取り組むことになりました。
原爆の投下により広島には、がん治療の長い蓄積があります。一方、伊東氏は若い頃に友人を白血病で亡くし助けることができなかったという苦い思いを抱えていました。医師に画像を見せてもらいながら、産業界での不良分類で培った『HORUS AI』を使えば、極めて小さな初期の癌であっても見逃さず検知することができると直感したといいます。

伊東氏「産業振興の観点でも医療AIは自動車産業に並ぶ柱となりうるポテンシャルがあります。広島県には、ベンチャー企業を創業した経験を持つ湯﨑知事が熱心にイノベーションを後押ししているという土地柄もあり、県内有志がコンソーシアムを組んで本格的に取り組もうと立ち上がりました。アドダイス・県立広島病院・広島大学病院有廣研究室という医療AIの開発メンバーだけでなく、AIの実運用を担当する地元のシステム事業者として情報産業協会顧問の福井氏・ビットリバー・瀬戸備研も加わりAI周辺産業の振興に取り組むことになりました。コンソーシアムへの参加ですが、手間暇かけられるメンバーは随時に募集しています。」
最後に,伊東氏は熱く呼びかけます。

伊東氏「人工知能がミクロン単位でのチェック支援を行うことで病理医の過重負担を減らすことが可能になることが明らかになってきています。広く普及し成果を還元するためには、技術開発だけではなく保険適用の対象になることや多くの病院で導入が進むことが必要です。社会実装し、さらに適用科目を広げていくためには、より多くの専門家とより多くの機関に参画していただく必要があります。患者さんとご家族の安心のために医療AIの発展と普及を通じて豊かな社会作りに貢献したいというビジョンを一緒に実現しましょう。」


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【広島県】商工労働局イノベーション推進チーム地域産業デジタル化推進グループ

広島県では,平成30年度よりAIやIoTを使った実証事業を行うコンソーシアム(団体)を募集しています。広島ならではの課題を設定し、その課題解決のために、デジタル技術を活用した実証に取り組むコンソーシアムに対して、最長3年間にわたり支援します。今後、広島を舞台に様々な分野において実証事業が始まりますので、その状況についてお知らせいたします。
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