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ユニーク! 笑える! 怖い! この冬行きたい日本の「奇祭」

2015年1月 9日 10:58

日本各地で開催されている地方独特のお祭り。その土地の文化や風習が色濃く表れるイベントだから、自分が住んでいる地域じゃなくても、わざわざ見に行く価値がありますよね。しかしなかには、よそから見たら「えっ!」と驚くようなお祭りも。それら「奇祭」(きさい)を求めて全国を訪ね歩いているライターの杉岡幸徳さんに、話を聞きました。

杉岡さん「日本には30万を超えるお祭りがあると言われています。そのうち変わった風習があるお祭りは、私が見聞きしただけでも1000は超えていります。『半径3km離れたら誰も知らない』というほどお祭りは地域に根付いたものだから、私自身、まだまだ知らない奇祭がいっぱいあるんです。とても奥が深いですよ」

そんな珍妙な世界をのぞいてみるべく、今回は杉岡さんに、この冬見に行ける奇祭を紹介してもらいました。

■思わず首をかしげたくなるヘンな奇祭

ヘトマト

長崎県五島市福江島/例年1月第3日曜日開催

ヘトマト

杉岡さん「なぜ『ヘトマト』というのか、そして起源もまったく分からない、奇祭中の奇祭です。まず、晴れ着姿の女性二人が酒樽に乗って、カンカンと羽根突きを始めます。それが終わると、今度は体中を煤だらけにしたふんどし姿の男が、貝殻の入った藁のボールを激しく奪い合います。それが終わったら今度は男たちが唐突に綱引きを始め、最後に、3m超はあろうかという巨大な草履に女性を担ぎ上げて、ワッショイワッショイと上に投げるという。どの催しも、なぜか一瞬にして終わります。不思議極まりない奇祭ですが、これでも国の重要無形民俗文化財なんですよ」

豊作、大漁、子孫繁栄を祈願するヘトマト。まるで支離滅裂な儀式ですが、杉岡さんは「元々別々に執り行っていた行事が、時代を経るにつれて1つになったのでは」といいます。

カセ鳥(かせどり)

山形県上山市/2015年は2月11日開催

カセ鳥

杉岡さん前進にミノを被った裸の男たちが、『カッカッカー』と叫びながら街中を踊り狂うお祭りです。極寒の2月だというのに、住民たちが冷水を勢いよくぶっかけるものだから、見ているだけで寒い。その後、男たちは住民からご祝儀を授けられ、ミノの頭部に手ぬぐいをくくりつけられます。カセ鳥のカセは『稼ぎ』のカセ、つまり商売繁盛と、『火勢』とかけて火伏せの意味があるのだとか」

実はこの儀式、かつては全国的に行われていたといいます。いつの間にか風習が廃れていったそうですが、歴史ある儀式を残していこうと、ここ上山市がよみがえらせたそうです。

泥打祭り(どろうちまつり)

福岡県朝倉市・阿蘇神社/例年3月第4日曜日開催

どろ

杉岡さんおみくじで今年の代宮司に選ばれた氏子が、純白の神衣を着て、子どもたちにひたすら泥を投げつけられるというお祭りです。代宮司は儀式が行われている間『田の神』と呼ばれ、泥が付けば付くほど、その年は豊作になるといわれています」

目も開けられないほどの泥を投げつけられながら、代宮司が神社から約500m離れた道祖神まで歩いていく様子は、なんともシュールな光景とのこと。

■クスッと笑えるおかしな奇祭

尻ふり祭

福岡県北九州市・井手浦公民館/例年1月8日開催

尻振り

杉岡さん「文字通り、神主たちがただお尻をフリフリ振るというお祭りです。それも左、右、左の動作を三回やったら終了。時間にして1〜2分でしょうか。なぜこんなことをするようになったのか起源は不明ですが、一説によると、古来、スサノオノミコトが切り落としたヤマタノオロチの尻尾が、ピンピン跳ねてこの地域に落ちてきたからだとか」

現在では豊作を祈願して行われているこの奇祭。ちなみに全国には、お尻に祈りを捧げるお祭りがまだまだあるそうです。

ひげなで祭

千葉県香取市・側高神社/例年1月第2日曜日開催

髭なで

杉岡さん「ひげなでとは、『髭を撫でる』という意味のひげなでです。神社の氏子(うじこ)が当番を引き継ぐときに行う儀式で、付け髭を付けた旧当番と新当番が、向かい合ってお互い日本酒を飲みます。一方が自分の髭を撫でたら、もう一方は絶対にお酒を飲み干さなければいけません」

新当番はこの我慢比べで、自分が神社を継ぐに足る男であることを証明しなければならないのでしょうか……。鎌倉時代が起源といわれ、かつてはどぶろくを飲んでいたのだとか。

鬼問答

東京都世田谷区・喜多見氷川神社/例年2月3日(節分)開催

鬼問答

杉岡さん「節分の儀式を芝居調でやるという変わったお祭り。神官が豆をまくと突然鬼が現れて、『鬼は内って言っただろ』とつっこみを入れてきます。それで、神官が鬼にスルメを渡すと帰って行くという」

鬼に渡すのがなぜスルメなのかはよく分からないそう……。ちなみに、地域によっては鬼は神の使いとされ、節分のとき、『鬼は内、福は内、悪魔は外』と唱えるところもあると杉岡さんは語ります。

■背筋がゾッと! 怖い奇祭

一夜官女祭り(いちやかんじょまつり)

大阪府大阪市・野里住吉神社/例年2月20日開催

一夜官女

杉岡さん「起源は不明ですが、元々は淀川の氾濫を治めるために、女性を神の生贄にする儀式だったといわれています。今でこそ少女が神前に出て神官が祝詞(のりと)を唱えるというものですが、かつては本当に人柱を立てていたと考えられます。この奇祭がなぜ怖いのかというと、ある時、たまたま神社にやってきた武士が『この儀式はおかしい!』といって、代わりに自分が生贄になったそうなんです。真夜中、大きな物音を聞きつけた周りの住民たちが神社に駆けつけると、おびただしい血が流れ、遠くにはヒヒの死体が転がっていた。つまり、神様とはヒヒだったんです

ゾッ! 女性を攫う妖怪といわれるヒヒ。様式化されたとはいえ、悲劇的な風習が現在も形を残しているという意味では、とても貴重な奇祭といえますね。

これらの奇祭はまだまだ序の口。『半径3km離れたら誰も知らない』と杉岡さんが語ったように、あなたの住んでいる街にも、知らないだけでユニークなお祭りがあるかもしれません。今年の冬はひと味違った体験をしたいというあなた。奇祭の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?

■取材協力/写真提供

杉岡幸徳

http://www.sugikoto.com/

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