「オムレツのトンカツ乗せ」がスイーツに? 福井越前、驚きの「ボルガアイス」
トンカツが乗ったオムレツかと思って食べてみたら、実は激ウマのアイスデザートだった――。そんなユニークなメニューが福井県で話題になっているそうです。メニューの名前は「ボルガアイス」。越前市にある「寿司天狗」の鈴木健作さんが考案しました。
オムライス部分はブルーベリーとバニラのアイスをクレープで包み、トンカツ部分は衣をつけて揚げたフレンチトースト。ソース代わりのチョコが掛かっています。ひんやり甘いスイーツと温かいトーストがミックスして、絶妙の味わいなんだそうです。
このボルガアイス、実は越前市のご当地グルメ「ボルガライス」に似せたもの。ボルガライスとはオムレツの上にトンカツを乗せ、店ごとのオリジナルソースをかけた料理のことで、越前市内の20軒以上の飲食店で提供されています。
市内では30年以上前から食べられていますが、名前の由来も発祥も、誰も知らない謎の食べ物。ボルガライス愛好家で結成された「日本ボルガラー協会」でも分かりません。そんな食べ物に似せたスイーツを、鈴木さんはなぜわざわざ作ろうと思ったのか。
「日本ボルガラー協会の波多野さんが来店したとき、私も越前市の新しいソウルフードであるボルガライスのPRに貢献したいと考えたのです。そのとき『ボルガアイス』のイメージが自然と浮かび上がってきました」
鈴木さんが絶対に外してはいけないと思ったのは、ボルガアイスを見て「ボルガライス」をすぐに連想してもらうこと。そうすれば、スイーツを食べながらボルガライスの話をするので、より強く印象に残るだろうという狙いです。
研究の結果、ホンモノそっくりのスイーツが完成し、販売を開始したのは今年3月。食後のデザートに注文するお客さんだけでなく、ボルガアイス目当てに来店する人も少なくないそうです。
「皆さん、トンカツ部分のフレンチトーストに驚かれますね。中には『本家のボルガライスより好きかも』と言っていただける方もいるんですよ」(鈴木さん)
「寿司天狗」には、昼間は刺身舟盛り定食や天ぷら定食、寿司定食などのランチ、夜はネタを選べる1000円の寿司セットなどのメニューもあります。ボルガアイスは500円とリーズナブルな値段設定。ぜひ本業のお寿司と一緒に食べてあげたいものです。