15万個のビーズで描く「聖剣伝説2」パッケージ 制作期間1年超、作品愛を紡いだアートに反響

2019年11月17日 11:00

「聖剣伝説2」への愛のなせる業

「聖剣伝説2」は、1993年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された。鉄平さんは当時、中学生だったそうだ。

「聖剣伝説2が発売されて、初めてこのパッケージのイラストを見たときにその素晴らしさ、緻密さに衝撃を受けたのを覚えています。
聖剣伝説2という作品自体も、そのストーリーや音楽、どれをとっても名作という名に相応しい作品で、僕の中では、別格の作品です」
「いつか、この有名なイラストを何かの形で表現できればいいなとずっと思っていました。
この作品を描かれたイラストレーター様は、磯野宏夫さんという方ですがすでに鬼籍の人だということを知り、僕なりの弔意と尊敬の意を込めてこの作品をビーズで作ろう!と思い立ったのが(作品制作の)きっかけです」

子どものころから大好きだった作品。そのイラストを描いた故・磯野宏夫さんに捧げるため、鉄平さんは仕事が終わった後に少しずつ、コツコツと作品を作り続けた。

スーファミで遊んでいた時のドット感を再現するために、ビーズの色は37色に絞ったそうだ。

作品制作の過程は、こうだ。

まず、図案作成ソフトを使って、元のイラストからビーズ用の設計図の素案を作る。そこから微調整を重ね、ようやくどの色のビーズを何番目に配置するかを記した「目数表」が出来上がる。

図案作成ソフトの画面(鉄平さん提供)
図案作成ソフトの画面(鉄平さん提供)

ビーズの配置を示した目数表の一部(鉄平さん提供)
ビーズの配置を示した目数表の一部(鉄平さん提供)

その後、ビーズ織機を使ってビーズを織っていくのだが、目数表を見ていただくと、その作業の細かさがわかるだろう。繰り返しになるが、ビーズは1粒1.6ミリ。この小さな粒を1つずつ、表のとおりに糸に通していくのだ。

横1列のビーズ数は320粒。それを491回繰り返してやっと、1枚の作品が出来上がる。

「家族や友人、大切な人の励ましがあったからこそ、最後まで作れた作品ですので感謝しています。
途中、選択したビーズの色が気に入らなくなって、解いてやり直したり、1段飛ばしていることに気づかずに編んでいたり、縦糸が切れそうになったりと、制作時は色々な苦労がありました...。
自分でもよく妥協しなかったな...と思います(笑)」

作品を編み上げた直後(鉄平さん提供)
作品を編み上げた直後(鉄平さん提供)

鉄平さんは、趣味でビーズアートを楽しむ母親から影響を受けて、3年ほど前に作品づくりを始めた。今回の作品も、母親に助けてもらいながら作ったという。また、色彩センスが良い姉にも、ビーズの色を選ぶのを手伝ってもらったそうだ。

それにしても膨大な作業量だ。

「聖剣伝説2」と故・磯野さんへの強い思いがあってこそ、完成にたどり着いたのだろう。筆者などは、作品になる前のバラバラ状態のビーズを想像するだけで途方に暮れてしまう。

鉄平さんも、次の作品を期待するリプライに対し、「もう当分ビーズは見たくないですw」と返信していた。

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